[クアラルンプール 7日 ロイター] - マレーシア政府は7日、財政規律を重視した来年度予算案を発表した。
年内に総選挙が実施されるとの観測が浮上する中、大衆迎合的な政策が盛り込まれるとの見方が出ていたが、予算規模は今年度を下回った。
商品価格の高騰で補助金支出が拡大しており、歳出抑制を迫られていることが背景。
政府は、地政学的な緊張、世界的なインフレの進行、金融状況の引き締まり、サプライチェーンの混乱により来年度は「厳しい」年になると指摘。慎重なアプローチを取る方針を示した。
テングク・ザフルル・アジズ財務相は「来年度予算案では、望ましい環境を整備し、経済ニーズと財政健全化の間でバランスを取ることを目指す」とし、外的ショックに対応するため、適切な政策を立案する方針を示した。
今年の国内総生産(GDP)予測は6.5─7%増と、従来予測の5.3─6.3%増から上方修正した。来年は4─5%増に鈍化する見通し。
来年度の歳出は3723億リンギ(800億8000万ドル)。今年度の推計値である3853億リンギを下回った。
来年度の歳入は4.4%減の2726億リンギとなる見通し。財政赤字はGDP比5.5%と、今年度の予測である5.8%から縮小する見込み。
政府は財政健全化を進めるため、公共支出の見直しに着手すると表明。来年度は的を絞った補助金を段階的に導入し、補助金・社会支援に420億リンギを投じる予定。