[北京 24日 ロイター] - 中国国家統計局が24日発表したデータに基づきロイターが算出した9月の新築住宅価格は前月比0.2%下落した。不動産部門は未完成物件の家主による住宅ローン返済拒否や開発業者の債務問題、新型コロナウイルス規制による景気見通し悪化など多くの課題に直面している。
8月の0.3%に続く2カ月連続の下落となった。
9月の新築住宅価格は前年比では1.5%下落と、2015年8月以来の大幅マイナス。8月は1.3%下落だった。
9月に前月比で住宅価格が下落したのは70都市中54都市で、8月の50都市から増えた。
中国政府は不動産部門の支援に向けて住宅ローン金利の緩和や一部の住宅購入者に対する所得税還付など一連の措置を打ち出している。
中原地産(センタライン)のチーフアナリスト、張大偉氏は「中国の不動産市場はなお低迷しており、第4・四半期に安定化すると見込まれるが、低位での推移が続くだろう」と予想した。
統計局の別のデータに基づきロイターが算出した9月の不動産販売(床面積ベース)は前年比16.15%減と14カ月連続の減少。8月の22.58%より小幅なマイナスだった。
不動産投資は12.1%減と、8月の13.8%から減少がやや和らいだ。
中国共産党大会の活動報告では「住宅は生活のためのもので、投機の対象ではない」との考え方が改めて示された。
野村のアナリスト陣は、中国の指導部刷新が完了する23年3月までは不動産部門への包括的対策が打ち出されない可能性があると指摘した。