[ロンドン 21日 ロイター] - イングランド銀行(BOE、英中央銀行)が2009年からの量的緩和で市中銀行から大量に購入した英国債などの保有分に初めて損失が生じ、純損失額が9月時点で1億5600万ポンド(1億7400万ドル)になっていることが分かった。21日の英国家統計局データで明らかになった。利上げで市中銀行の準備金への利払い負担は増大している。損失は財務省が穴埋めする。
BOEは世界金融危機からコロナ禍にかけて約9000億ポンド相当を購入。この大半が国債で、一部は社債。市中銀行にとってみればBOEによる累計8380億ポンドの国債買い入れが大きく影響し、BOEに総額では約9500億ポンドの資金を積んでいる状態。これに対するBOEの利払いは1年弱前まで0.1%だったが、今や2.25%になり、来年は5.0%を超えるとも予想されている。
BOEのタッカー副総裁は最近、BOEの銀行への利払いの方法を政府が見直すべきだと表明し、そうすれば利払いが年300億-450億ポンド節約できると説明。財務省はその後、今年度に国債買い入れに関連してBOEに生じた損失に対応するため、同省から110億ポンド超をBOEに移すことにしたとしていた。
BOEは今年、09年の国債買い入れ開始以来、この保有に伴って生じた利益から計1200億ポンドを財務省に納付してきたと説明している。