[25日 ロイター] -
<為替> 感謝祭の祝日明けで薄商いの中、ドルが広範な通貨に対して小幅高となった。ただ、米連邦準備理事会(FRB)の利上げペースが鈍化するとの観測の中、数カ月ぶりの安値近辺にとどまっている。
ユーロは対ドルで0.1%安の1.04015ドル。ただ今月半ばに付けた4カ月ぶり高値(1.0481ドル)近辺にとどまっている。
週間ベースでは0.7%上昇した。
ドルは対円で0.4%高の139.14円。
英ポンドは対ドルで0.21%安の1.2084ドル。英経済見通しに対する懸念が重しになった。
マネックス・ヨーロッパのシニア外為アナリスト、サイモン・ハーベイ氏は「今日は主だった発表もなく、流動性はかなり低かった」としている。
FRBの積極的な利上げを背景にドルは年初から全ての主要通貨に対して上昇。ただ、FRBが23日に公表した11月1─2日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、政策立案者の「かなり多数」が、利上げペース鈍化が「間もなく適切になる」との見方に同意したことが分かった。
こうした中、市場は30日にパウエルFRB議長が行う講演に注目。マネックスのハーベイ氏は「パウエル議長の発言は(前回FOMCの)11月2日以来となる。議長がこのところの金融情勢の緩和を押し戻さなければ、ドルに対する目先の支持は失われる」と述べた。
<債券> 米債利回りが薄商い下で小幅に低下した。序盤にはドイツ債利回りに追随し上昇していた。
ドイツ10年債利回りは25日に約12ベーシスポイント(bp)上昇。ジョン・ハンコック・インベストメント・マネジメントの共同チーフ投資ストラテジスト、マシュー・ミスキン氏は、これが世界的に波及したとし、「欧州は引き続き米債市場に大きな影響を及ぼしている」と述べた。
米指標10年債利回りは序盤に上昇したものの、終盤は約2bp低下の3.683%と10月上旬以来の低水準。2年債利回りは約3bp低下しし4.454%となった。
OANDAのシニア市場アナリスト、グレイグ・アーラム氏は「非常に不安定な地合いだったが、値動きをうのみにはしない」と指摘。米感謝祭の祝日に伴う流動性の低さが余計なボラティリティーにつながっているとした。
2・10年債の利回り差はマイナス78bp。
来週には米国で雇用統計や個人消費支出(PCE)が発表されるほか、30日にはパウエル連邦準備理事会(FRB)議長が経済見通しと労働市場について講演する。
<株式> ナスダック総合が反落。感謝祭明けの短縮取引で薄商いとなる中、アップルの下げに圧迫された。投資家は年末商戦の幕開けとなる「ブラックフライデー(感謝祭翌日の金曜日)」の小売売上高や中国の新型コロナウイルス感染状況に注目している。
アップルは2%安。中国河南省鄭州にある台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業の工場の労働者の抗議活動で、11月のiPhone生産台数が少なくとも30%減少する可能性があるというニュースが嫌気された。
根強い高インフレや景気減速を背景に今年の年末商戦の低迷が懸念される中、小売株ではターゲット、メーシーズ 、ベスト・バイの株価がまちまち。S&P一般消費財は小幅上昇した。
25日の米取引所の合算出来高は45億4000万株と、直近20営業日の平均である112億5000株を大幅に下回った。
12月のFOMCについて、市場ではFRBが71.1%の確率で金利を0.50%ポイント引き上げると予想する。
主要株価3指数は週間で軒並み上昇。ダウ工業株30種は1.78%高で、全体を主導した。
ゲーム大手アクティビジョン・ブリザードは4.07%安。米連邦取引委員会(FTC)が米マイクロソフトによるアクティビジョンの690億ドルの買収が反トラスト法(独占禁止法)に違反するとして、差し止めを求めて提訴する公算が大きいという報道が材料視された。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.81対1の比率で上回った。ナスダックでも1.35対1で値上がり銘柄数が多かった。
<金先物> 3日続伸した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前営業日(23日)比8.40ドル(0.48%)高の1オンス=1754.00ドル。週間では0.02%安とほぼ横ばい。
<米原油先物> 続落した。米国産標準油種WTIの中心限月1月物は前営業日清算値(終値に相当)比1.66ドル(2.13%)安の1バレル=76.28ドルだった。2月物は1.64ドル安の76.43ドル。