［香港 ２日 ロイター］ - 香港金融管理局（ＨＫＭＡ、中央銀行に相当）は２日、米連邦準備理事会（ＦＲＢ）の利上げに追随し、政策金利の基準金利を２５ベーシスポイント（ｂｐ）引き上げ５．０％とした。
香港は香港ドルを１米ドル＝７．７５ー７．８５香港ドルの範囲に抑える「ドルペッグ制」を採用しており、金融政策を米国に連動させている。
ＨＫＭＡの余偉文総裁は「米国の利上げは香港の金融と通貨の安定に影響しない」と述べ、通貨・金融市場の円滑で秩序ある運営が維持されるとした。
ＦＲＢは１日までの連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ）でフェデラルファンド（ＦＦ）金利の誘導目標を０．２５％ポイント引き上げ４．５０─４．７５％とし、パウエル議長は「あと数回」の利上げを示唆した。
余総裁は「米国の利上げサイクルはまだ終了しておらず、香港ドル銀行間金利はしばらく高止まりする可能性がある」と述べた。
香港は先進国の高インフレや積極的な金融引き締めによるリスクに直面している。借り入れコストの上昇や悲観的な景気見通しが資産価格に打撃を及ぼし、２０２２年の民間住宅価格は１５．６％下落と、年間で０８年以来のマイナスとなった。
住宅の評価額がローン残高を下回るネガティブエクイティ状態のローンは第４・四半期に前期の２２倍近くに膨らんだ。
ＨＫＭＡは、ネガティブエクイティ状態の住宅ローン急増は「抑制可能」とし、銀行の貸出金利が上昇する可能性に備えるよう呼びかけるとともに、住宅購入者は借り入れの決定を慎重に行うべきとした。