[東京 12日 ロイター] - 立憲民主党の長妻昭政調会長は12日午前のNHKの番組で、政府が植田和男・共立女子大学教授の起用を固めた次期日銀総裁人事について、報道が先行したことを問題視するとともに、誰が就任してもアベノミクスの総括をすべきとの考えを示した。
長妻氏は「アベノミクスは間違っていた、とくに金融政策、これを明確に宣言して、そして総括もどうなのか、これがない限りずるずるアベノミクスを引っ張っていく日銀総裁であれば、これは問題の先送りに過ぎない」とした上で、「きっちりと国会で見ていきたい」と語った。政府が国会に提示する前に報道が出たことに対しても、情報管理の甘さを問題視した。
自民党の萩生田光一政調会長は、次期総裁人事について政府から正式に知らされておらず「コメントは控える」としつつ、金融政策は「今の政策を継続しながら、その中で改革が必要だと思っているので、新メンバーに前向きな取り組みを期待したい」と語った。
政府は、日銀新総裁に経済学者で元日銀審議委員の植田氏を起用する方針を固めた。14日に人事案を国会に提示し、衆参両院の同意を得て内閣が正式に任命する。植田氏は10日、政府から総裁候補の打診があったかどうかは「ノーコメント」と断ったうえで、現在の金融政策運営について「適切であると考えている」と都内で記者団に語った。現状では「金融緩和の継続が必要」とも述べた。