[エディンバラ 24日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーであるナーゲル独連邦銀行(中央銀行)総裁は24日、急速な賃金の伸びが高インフレにさらなる上昇圧力をかけているとして、ECBは利上げを継続し、バランスシートの縮小を加速させる必要があるとの認識を示した。
ナーゲル氏はエディンバラでの講演で、銀行株が急落したことについては、最近の市場変動を受けた自然な流れだと指摘。利上げ停止は必要ないと明言した。
この日は金融危機再来の懸念から、ドイツ銀行が10%超下落するなど、銀行株が急落した。これについてナーゲル氏は「一連の出来事が起きる前に比べ、市場が少し不安定になっていることにそれほど驚きはない」とし、ドイツ銀行についてのコメントは避けた。
またナーゲル氏は、労働市場は非常に逼迫しており、労働者不足は今や生産の障害となっているとし、これにより労働組合は賃上げ交渉力を高めていると警告。「賃金動向は現在の高インフレ期間を長引かせる可能性が高い」と述べた。
現在の景気低迷を乗り越えた後の人材採用はコストがかかり過ぎるとの懸念から企業は労働力をため込んでおり、ユーロ圏の大部分では労働力の供給がすでに縮小しているため、構造的な緊張が続くと訴えた。
「インフレ率を適時に2%に戻すには、政策金利を十分に制約的な水準まで引き上げる必要がある」と指摘。「さらに、持続的な物価安定を確保するために必要な限り、政策金利を十分に高く維持すべきだ」と述べた。