[ワシントン 19日 ロイター] - パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は19日、米金利を一段と引き上げる必要があるかどうかはまだ不明と述べた。
ワシントンで開催された会議で、FRBは「会合ごとに」意思決定を行うと改めて表明。一方で、1年間の積極的な利上げを経て、当局者には「データと変化する見通しを確認し慎重に判断する余裕がある」とした。
また「われわれはこれまでの引き締めの遅行的な効果と最近の銀行ストレスによる信用引き締めの程度を巡り不確実性に直面している」とし、「したがって、今日のガイダンスは、インフレ率の2%回帰に向け追加的な政策引き締めがどの程度適切かを評価する上で監視している要素を明らかにすることに限定される」とした。
さらに「利上げを巡る過不足のリスクはより均衡化してきており、われわれの政策はそれを反映して調整されている」と言及。6月13─14日の連邦公開市場委員会(FOMC)に向けて「追加の金融引き締めがどの程度適切かについて決定したわけではない」とした。
このほか、これまでのデータを受けて「インフレ率の低下には時間がかかるという委員会の見解を支持する」と強調。労働市場の逼迫などインフレ率を上昇させ得る一部の要因はまだ緩和されておらず、特にサービス産業ではインフレがより持続的であることが判明しているとした。
LHマイヤーのシニアエコノミスト、ケビン・バーゲット氏は、パウエル議長の発言は全体的に「5月のFOMC後の記者会見で明らかになった『ある時点で追加引き締めが必要になるかどうかはわからないが、委員会の基本シナリオは6月に(利上げを)一時停止する』というわれわれの解釈と一致した」と述べた。