[東京 26日 ロイター] - 政府は26日午後に開いた経済財政諮問会議で、6月にまとめる「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」の骨子案を議論した。岸田文雄首相は「少子化トレンドの反転に向けた少子化対策、こども政策の抜本強化の取り組みの方向性を明らかにしていく」と語った。
骨子は、骨太の方針の「目次」にあたる。政府の資料によると、1)マクロ経済運営の基本的考え方、2)新しい資本主義の加速、3)我が国を取り巻く環境変化への対応、4)中長期の経済財政運営、5)当面の経済財政運営と2024年度予算編成に向けた考え方─の5章立て。
新しい資本主義の項目では、構造的賃上げの実現と「人への投資」の強化、分厚い中間層の形成、官民連携による国内投資拡大とサプライチェーン(供給網)の強靭化、こども政策の抜本強化などが盛り込まれる。環境変化への対応に関する項目には、外交・安全保障やエネルギー安全保障の強化、経済安全保障政策の推進などが入る。
民間議員は5月15日の特別セッションの議論を踏まえ、マクロ経済運営の目指すべき方向性についてまとめた資料を提出した。40年ぶりの物価上昇率や30年ぶりの高い賃上げなど「デフレ経済は大きく変わりつつある」との認識を示し、潮目の変化を持続的・安定的にしていくためには構造的な賃金上昇を着実に実現していくことがカギになると指摘した。
「政府と日銀は緊密に連携し、賃金上昇を伴う形で2%の物価安定目標と民需主導の経済成長が持続的かつ安定的に実現することを目指すべき」と提言。経済財政諮問会議において「財政政策と金融政策のポリシーミックスを含むマクロ経済政策運営の状況、物価や賃金、分配面も含めた経済の状況、経済財政の構造改革の取り組み状況などについて定期的に検証すべき」だとした。
(杉山健太郎)