[ワシントン ７日 ロイター] - イエレン米財務長官は７日、堅調な個人消費を背景に米国経済は好調だが、一部地域では減速していると述べた。今後２年間はインフレ率低下が引き続き進展するとの見通しを示した。ＣＮＢＣのインタビューに応じた。
イエレン氏は、金利の上昇やリモートワークの普及によりオフィス需要が減少しているため、銀行は商業用不動産に関連した問題に直面する可能性があるが、ストレステストでは銀行には十分な資本があることが示されており、銀行監督当局は状況を注視していると述べた。
銀行間の統合の一段の進展を支持するかとの質問に対しては、強力なコミュニティバンクや地方銀行、大手銀行からなる現在の多様な銀行システムは米国経済にとって「強み」であるものの、さらなる統合もありうると回答。「確かにこの環境では、一部の銀行が収益を圧迫されており、ある程度は統合させたいという動機につながる。今後、そのような動きがあっても不思議はない」と述べた。
失業率が５月の３．７％から４％台に若干上昇しても、労働市場が堅調に推移している間はインフレが沈静化する可能性があると指摘。「失業率４％台は、労働市場が非常に強い状態だと考えている」と述べた。
経済がいくぶん減速し、労働市場の圧力が緩和されたとしながらも「依然として労働市場は非常に健全であり、賃金上昇も著しい」とした。
米証券取引委員会（ＳＥＣ）が暗号資産（仮想通貨）業界の監督を強めていることを巡っては、金融規制当局には暗号資産の投資家や消費者を保護するためのツールがあり、ＳＥＣがさらなる措置のためにこれらを調査することは適切との認識を示した。また、システムに複数の欠陥があるとし、追加規制が適切との考えを示した。ただ、どの欠陥かは特定しなかった。