[アレンダル(ノルウェー) 18日 ロイター] - ノルウェーの政府系ファンド(SWF)の幹部は、投資先企業に対して女性役員の登用拡大を要求するとともに、経営トップへの過剰な役員報酬を是正するように圧力を強めることを明らかにした。SWFは単体としての株式投資額が世界最大で、運用資産は1兆4000億ドル規模に達する。
SWFは今年に入ってからのESG(環境・社会・企業統治)の取り組みを調査し、投資先の今年の年次株主総会でどのように投票したのかなどの記録に関する分析を16日に初めて公表した。役員報酬などについての投資家の投票も含まれる。
SWFは2021年以降に企業の取締役会に占める女性の数を増やすように要求し、女性取締役が30%未満の場合は目標設定を検討するように求めてきた。
SWFの最高ガバナンス・コンプライアンス責任者のカリーヌ・スミス・イヘナチョ氏はロイターのインタビューで「私たちは今年、(企業に対して)『取締役会に1人も女性がいなければ、私たちは反対票を投じる』と伝えた。来年はこの動きを一段と強化する」と話した。ただ、具体的な方法の詳細は決まっていないとした。
投資先については「これまでは発展途上国には目を向けてこなかった」と説明。また、「日本でも(企業に求める女性役員の最低)枠を1人から2人に増やすことは可能だ」と言及した。
SWFは役員報酬にも焦点を当てて圧力を強化する予定だが、方法の詳細は決まっていない。今年はこれまでに最高経営責任者(CEO)の報酬支給提案について10分の1の企業で反対票を投じ、近年の反対割合を上回っている。