[20日 ロイター] - 格付け会社S&Pグローバルは20日、ギリシャの格付けを投資適格級に引き上げた。2010年の債務危機以来、ギリシャが格付け大手3社から投資適格級を回復するのは今回が初めて。
S&Pはギリシャの自国通貨建ておよび外貨建ての長期発行体格付けを「BBB―/A-3」に引き上げ、見通しは安定的とした。
他の格付け大手、フィッチとムーディーズは、同国を投資適格より1段階低い格付けとしている。DBRSモーニングスターは先月、投資適格のBBB(low)に引き上げた。
S&Pは、財政黒字目標がギリシャの政府債務を平準化するのを助けると予想。政治的圧力によって同国の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の大幅黒字を維持する能力が妨げられることを警戒しているとした。
ギリシャは2018年に債務危機から脱却したが、ユーロ圏で唯一「ジャンク(投資不適格)」級に格付けされていた。
S&Pは、追加の経済構造改革および予算改革とEUからの大規模資金で、ギリシャの2023─26年の堅調な経済成長が支えられると予想した。