[14日 ロイター] - 米アトランタ地区連銀のボスティック総裁は、利下げを時期尚早に行えばインフレ率が不安定になる可能性があると指摘し、連邦準備理事会(FRB)の2%目標に向けたインフレの改善が今後数カ月で鈍る公算が大きいとの認識を示した。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が14日報じた。
今年の連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持つボスティック氏は、インフレ鈍化の進展が今後「かなり緩やかになると見込む」とした上で、「完全に行き詰まるリスクもある」と語った。
2023年はインフレ圧力が想定以上の速さで緩和したと認めながらも、今年末時点のインフレ率は2.5%近くにとどまり、2%の目標達成は25年になる公算が大きいとみているとした。
昨年12月のFOMC後、同氏は今年の夏過ぎまで金利を据え置く必要があるとの考えを示していた。FTに対しては、米経済が直面している不確実性が、このような慎重姿勢をを正当化していると話した。
「インフレ率は2%の目標にしっかりと確実に戻る必要がある」と強調し、FRBの利下げ開始によってインフレ率が上下に動く不安定な状況となれば経済の先行きに関する人々の信頼を損ねるという「悪い結果」を招くことになるとした。