[ムンバイ 6日 ロイター] - インド準備銀行(中央銀行、RBI)は6日、主要政策金利のレポレートを6.5%に据え置くことを全会一致で決定した。据え置きは4会合連続。
ただ、インフレ率を目標の4%に近づけるため、債券売却を通じて流動性をタイトに維持する方針を示唆。余剰資金を吸収するため、債券の売却を検討すると表明した。
これを受け、インド国債利回りは過去14カ月で最大の上昇を記録。10年物国債利回りは6カ月ぶりの高水準となった。
中銀のダス総裁は「金融政策は現時点では引き続き積極的なディスインフレ型とする必要がある」と述べた。
ロイター調査では大半のエコノミストが据え置きを予想していた。
中銀はインフレ抑制のため、2022年5月以降、計250ベーシスポイント(bp)の利上げを行っている。
ダス総裁は「インフレ率を持続的に目標の4%に沿わせることを(引き続き)強い決意で重視する」と述べた。
今後も経済成長を支援しながらインフレ率を漸進的に目標に沿わせるため、「緩和の解除」という政策スタンスを維持することも決めた。政策スタンスについては6委員中5委員が賛成した。
総裁は、中立的な政策スタンスへの移行はインフレ率が持続的に目標に沿った水準になるまで検討しないと発言。過去の利上げの効果はまだ完全には経済全体に波及していないと述べた。
8月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年比6.83%で、15カ月ぶり高水準だった7月の7.44%から鈍化したが、中銀の許容範囲内である2─6%を依然上回っている。
ただ、コアインフレ率は5%を割り込んだ。食品価格の高騰がインフレの主因となっている。
ダス総裁は「コアインフレ率の低下は希望の兆しだが、全体のインフレ見通しは依然として厳しい」と指摘。降雨量が不十分で、世界の食品・エネルギー価格が不安定なことが影響していると述べた。
中銀は今年度のインフレ予測を平均5.4%で据え置いた。経済成長予測も6.5%で据え置いた。
コタック・インスティチューショナル・エクイティーズのシニアエコノミストは「経済成長は引き続き底堅く、インフレも抑制されている。レポレートは来年度に入っても相当な期間6.5%で据え置かれるだろう。流動性は中期的には中立に近い水準が目標になる」と述べた。
中銀はインフレ率が目標の4%に低下するのは来年度第2・四半期になると予測。
ダス総裁は「改めて強調したいのはインフレ目標は4%であり、2─6%ではない」とし、インフレ目標に沿って流動性を管理するため、中銀が公開市場での債券売却を検討する可能性があると述べた。
最近のロイター調査では、レポレートは今年度(今年4月─来年3月)いっぱい6.5%で据え置かれ、来年7月までに25ベーシスポイント(bp)の利下げがあるとみられていた。
ただ、キャピタル・エコノミクスは、ダス総裁の発言は金融緩和が来年半ばに後ずれする大きなリスクがあることを示していると指摘した。