■成長戦略と収益の成長性
(2)具体的施策と進捗状況
ファーストロジック (T:6037)は物件掲載数ベースのシェアを73.9%へと引き上げることを最優先課題としているが、そのためには営業力が絶対的に不足しているためこの部分の人員増強を急ぐ必要があるという認識を有している。
この認識に基づき同社は、2016年7月期において営業人員の積極採用と教育に投資を行った。
具体的には2015年7月末から2016年7月末までの1年間で社員数が10名の純増となったが、増加分の約半数が営業担当者という内訳だ。
同社は採用に際して、頭数をそろえることよりも、同社が目指す営業スタイルや営業手法を実現できる人材の獲得に注力している。
すなわち質を重視した採用を行っているため、実採用数は計画を若干下回って推移しているものとみられる。
同社が目指す理想の営業担当者は、クロスセル(重ね売り)を強力に推進できる人材だと弊社では理解している。
「楽待」の4つのサービスの拡販に加え、「大家さんの味方」におけるリフォーム需要の取り込みもできるような人材だ。
その実現には商品知識や業界知識は言うまでもないが、何より高いコミュニケーション能力が求められる。
2017年7月期においては採用をさらに加速させて25名程度の純増を目指している。
同社が進める人材の獲得は物件掲載数の拡大にきちんと結びついているというのが弊社の評価だ。
同社は人材採用に際し、新卒採用を基本とし、適宜中途採用を行うというスタンスで臨んでいる。
同社は7月決算であるため、4月入社の新卒者は同社の第3四半期に入社してくることになる。
入社後基礎的な研修を受け、第4四半期には実戦に配置されることになる。
物件掲載数の四半期推移を見ると、2016年7月期第4四半期において、明確な伸びを見せている。
同社はこの時期に物件掲載の無料キャンペーンを打ったため、その効果はわかりにくくなっているものの、新卒者による営業力強化も、第4四半期の物件数増加には貢献していると弊社ではみている。
この物件掲載数は、2017年7月期第1四半期以降、増加ペースこそ一旦鈍化するものの、絶対数は着実に増加を続けると弊社ではみている。
新卒者を中心に習熟効果が期待できるほか、期中採用による営業担当者の漸増が続くと考えられることが1つの要因だ。
また、不動産市場がピークアウトした中で、居住用物件について投資用需要を求めて不動産投資のNo1ポータルサイトである「楽待」への掲載需要が伸びてくると期待されることがもう1つの理由だ。
「楽待」の物件掲載数の潜在成長性については、前回のレポートでも触れたが、弊社では以下のように考えている。
不動産業界内では現在の不動産店舗数は約20万店と言われている※。
20万店舗のうち10%を加盟店化し、1店舗当たり20件掲載するという状況を想定すると、掲載物件数は【20,000店舗×20件=400,000万件】となり、現状の約7万件に対して6倍近い値となる。
この場合の物件掲載サービスの売上高は、20件で月20,000円の収入となるので【20,000円×12ヶ月×20,000店=4,800百万円】ということになる。
実際に2万店を加盟店化できるかは検討が必要だ。
居住用主体で不動産仲介を行う“街の不動産屋さん”が大多数を占めると考えられため、そうしたところは潜在顧客にならないと慎重に考えるべきであろう。
反対に、加盟1店舗当たり20件という掲載数は現実にはもっと多いと考えられる。
結論としては、内訳の詳細は予測が難しいものの、物件掲載数が40万件~50万件に増大するのは、十分現実性があると弊社では考えている。
※総務省の「平成18年(2006年)事業所・企業統計調査」結果の“不動産取引業事業所数247,517ヶ所”という数値と、国土交通省統計からの“2006年度から2013年度までの間の宅地建物取引業者数減少率6.5%”という数値を重ね合わせると、業界で言われる約20万店という数値にほぼ一致する
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
(2)具体的施策と進捗状況
ファーストロジック (T:6037)は物件掲載数ベースのシェアを73.9%へと引き上げることを最優先課題としているが、そのためには営業力が絶対的に不足しているためこの部分の人員増強を急ぐ必要があるという認識を有している。
この認識に基づき同社は、2016年7月期において営業人員の積極採用と教育に投資を行った。
具体的には2015年7月末から2016年7月末までの1年間で社員数が10名の純増となったが、増加分の約半数が営業担当者という内訳だ。
同社は採用に際して、頭数をそろえることよりも、同社が目指す営業スタイルや営業手法を実現できる人材の獲得に注力している。
すなわち質を重視した採用を行っているため、実採用数は計画を若干下回って推移しているものとみられる。
同社が目指す理想の営業担当者は、クロスセル(重ね売り)を強力に推進できる人材だと弊社では理解している。
「楽待」の4つのサービスの拡販に加え、「大家さんの味方」におけるリフォーム需要の取り込みもできるような人材だ。
その実現には商品知識や業界知識は言うまでもないが、何より高いコミュニケーション能力が求められる。
2017年7月期においては採用をさらに加速させて25名程度の純増を目指している。
同社が進める人材の獲得は物件掲載数の拡大にきちんと結びついているというのが弊社の評価だ。
同社は人材採用に際し、新卒採用を基本とし、適宜中途採用を行うというスタンスで臨んでいる。
同社は7月決算であるため、4月入社の新卒者は同社の第3四半期に入社してくることになる。
入社後基礎的な研修を受け、第4四半期には実戦に配置されることになる。
物件掲載数の四半期推移を見ると、2016年7月期第4四半期において、明確な伸びを見せている。
同社はこの時期に物件掲載の無料キャンペーンを打ったため、その効果はわかりにくくなっているものの、新卒者による営業力強化も、第4四半期の物件数増加には貢献していると弊社ではみている。
この物件掲載数は、2017年7月期第1四半期以降、増加ペースこそ一旦鈍化するものの、絶対数は着実に増加を続けると弊社ではみている。
新卒者を中心に習熟効果が期待できるほか、期中採用による営業担当者の漸増が続くと考えられることが1つの要因だ。
また、不動産市場がピークアウトした中で、居住用物件について投資用需要を求めて不動産投資のNo1ポータルサイトである「楽待」への掲載需要が伸びてくると期待されることがもう1つの理由だ。
「楽待」の物件掲載数の潜在成長性については、前回のレポートでも触れたが、弊社では以下のように考えている。
不動産業界内では現在の不動産店舗数は約20万店と言われている※。
20万店舗のうち10%を加盟店化し、1店舗当たり20件掲載するという状況を想定すると、掲載物件数は【20,000店舗×20件=400,000万件】となり、現状の約7万件に対して6倍近い値となる。
この場合の物件掲載サービスの売上高は、20件で月20,000円の収入となるので【20,000円×12ヶ月×20,000店=4,800百万円】ということになる。
実際に2万店を加盟店化できるかは検討が必要だ。
居住用主体で不動産仲介を行う“街の不動産屋さん”が大多数を占めると考えられため、そうしたところは潜在顧客にならないと慎重に考えるべきであろう。
反対に、加盟1店舗当たり20件という掲載数は現実にはもっと多いと考えられる。
結論としては、内訳の詳細は予測が難しいものの、物件掲載数が40万件~50万件に増大するのは、十分現実性があると弊社では考えている。
※総務省の「平成18年(2006年)事業所・企業統計調査」結果の“不動産取引業事業所数247,517ヶ所”という数値と、国土交通省統計からの“2006年度から2013年度までの間の宅地建物取引業者数減少率6.5%”という数値を重ね合わせると、業界で言われる約20万店という数値にほぼ一致する
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)