[ソウル 26日 ロイター] - 韓国金融委員会(FSC)は26日、韓国株の低評価を意味する「コリアディスカウント」の是正に向け、低い株価評価の上場企業に株主還元拡大策の報告を求めるなどの改革案を発表した。
「企業価値向上プログラム」と呼ばれる改革案の下、政府は株主還元拡大とガバナンス改善に向けた企業の自主的な取り組みを奨励・支援する。
企業が計画を立てられるよう、今年上期に詳細なガイドラインを公表する。
政府は株主価値の高い企業の指数を導入するほか、市場価値を高めて株主還元を増やす企業に対して税制上の優遇措置も検討しているという。
FSCは声明で、これらの措置が発効すれば「コリアディスカウントの問題解決に寄与すると期待している」と述べた。
韓国企業の評価が慢性的に低い傾向にある背景には、低い配当水準や、透明性の低い財閥が支配する産業構造がある。
アナリストの一部は改革案について踏み込み不足だと指摘。
ユージン投資証券のアナリスト、Huh Jae-hwan氏は発表後に利益確定売りが多少出ることは予想されていたが「内容への失望感があまりに強かったため」売りが膨らんだと指摘。奨励策と見なせる措置がほとんどなく、市場が期待していたような新たな義務や税優遇も含まれなかったと述べた。
26日のソウル株式市場は自動車や銀行など割安とされるセクター主導で下落、総合株価指数(KOSPI)は一時1.42%下げた。これらのセクターは政府の改革案発表前に大きく上昇していた。
市場の取引開始前に崔相穆企画財政相は、コリアディスカウントが解消されるまで企業改革計画を継続すると述べた。
FSCのキム・ソヨン副委員長は、この日発表した改革案について、日本で導入された対策よりもはるかに強力なインセンティブが含まれると指摘。改革は自発的に行われる必要があり、企業に対する罰則はないと述べた。
KOSPIの昨年の上昇率は19%と、日経平均や米S&P総合500種に見劣りする結果となった。また、KOSPI構成企業の約3分の2は株価純資産倍率(PBR)が1倍を下回っている。