10日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・仕切り直しのスタンスといった流れに
・ドル・円は105円32銭付近、ドル弱含み、国内勢のドル売り継続
・東和薬品、三菱商事など9社の目標株価変更
■仕切り直しのスタンスといった流れに
日経平均は大幅に反発。
927.33円高の17178.87円(出来高概算16億7000万株)で前場の取引を終えた。
大幅に反発して始まり、前日の下落分を吸収した。
米国市場ではトランプ氏勝利の大勢が判明した昨晩には、先物取引市場で一時NYダウが1000ドル近い下落となるなど、不安感が広がる場面もあったが、朝方にはトランプ氏の経済政策へと投資家の関心も移り、恩恵を受けるとみられる銘柄に買いが広がった。
この切り返しをみせるなか、シカゴ先物は大阪比965円高の17215円となり、これにサヤ寄せする格好からのギャップアップをみせている。
買い一巡後はこう着感が強まっているが、前場半ばには一時17265.90円まで上げ幅を広げている。
セクターでは33業種全てが上昇しており、保険、銀行、証券、鉄鋼、非鉄金属、機械、鉱業、ガラス土石、その他金融、金属製品が上昇率上位。
東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が1942と97%を占める全面高商状。
売買代金上位では、三菱UFJ (T:8306)などメガバンク3行や、トヨタ自 (T:7203)、ソフトバンクG (T:9984)、任天堂 (T:7974)、ファーストリテ (T:9983)など主力大型株が上位を占めている。
日経平均は前日の急落部分を吸収し、25日線を上回っての推移となっている。
昨日は大統領選の開票動向に翻弄されていたが、一気に切り返しをみせたことにより、需給懸念は後退している。
反対に決算発表が本格化するなか、個人や機関投資家等はこれまで積極的には手掛けづらかったこともあり、仕切り直しのスタンスといった流れに向かっている。
また、トランプ政権に対しては現時点で先行きが見えないところはあるが、今後の政策等を見極めつつ落ち着きを取り戻してくることになりそうだ。
雇用創造などの政策を打ち出していることもあり、楽観視は出来ないものの、景気回復への期待感なども次第に高まる展開に期待した物色が意識される。
(株式部長・アナリスト 村瀬智一)
■ドル・円は105円32銭付近、ドル弱含み、国内勢のドル売り継続
10日午前の東京外為市場では、ドル・円は弱含み。
米大統領選通過で105円台まで買い戻されたが、国内勢の売りに押される展開となった。
米大統領選は市場の予想に反して共和党トランプ氏の勝利となったが、政策期待でリスク回避の動きは後退。
日経平均株価が前日の下げを取り戻し1000円近く上昇したことで、ドルは一時106円台に迫った。
ただ、105円台は国内勢による売り圧力に押されやすい。
米サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁が講演で「米金融当局は目標達成にきわめて接近している」などと利上げにやや前向きな発言をしたが、ドルを押し上げる材料とはならなかった。
ランチタイムの日経平均先物は引き続き堅調地合いだが、ドルは105円台では売り圧力が強く、アジア市場では上値が重そうだ。
ただ、大統領選通過に伴う買戻しが続く見通しで、下値は堅いだろう。
ここまでのドル・円の取引レンジは104円97銭から105円96銭、ユーロ・円は114円97銭から115円69銭、ユーロ・ドルは1.0909ドルから1.0937ドルで推移した。
12時15分時点のドル・円は105円32銭、ユーロ・円は115円20銭、ポンド・円は130円69銭、豪ドル・円は80円69銭で推移している。
(為替・債券アナリスト 吉池威)
■後場のチェック銘柄
・東和薬品 (T:4553)、三菱商事 (T:8058)など9社の目標株価変更
・川上塗 (T:4616)、スパンクリト (T:5277)、リンコー (T:9355)など10社がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・ドンキホーテ (T:7532)、ランチタイムに10月の月次動向を発表
・金下建設 (T:1897)、ランチタイムに決算と通期業績予想の修正を発表
・デジタルガレージ (T:4819)、ランチタイムに決算を発表
・千代化建 (T:6366)、ランチタイムに決算を発表
☆後場の注目スケジュール☆
・特になし
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