日経平均<.N225> 日経平均先物12月限<0#2JNI:>
前場終値 9470.31 (+171.00) 前場終値 9410 (+160)
寄り付き 9243.48 寄り付き 9190
安値/高値 9199.08─9489.32 安値/高値 9140─9440
出来高(万株) 110567 出来高(単位) 80006
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[東京 15日 ロイター] 前場の東京株式市場で日経平均は急反発。寄り付きは円
高進行を嫌気して続落で始まった。売り一巡後に下げ渋りとなっていたところに、10時
25分過ぎドルが一時、82.87円まで下げ幅を拡大。海外安値を下抜けて再び15年
ぶり安値を更新した後、ドル買い介入の観測で一気に円安に振れると、為替の動きに合わ
せて株式では短期筋が先物で買い戻しを加速させたといい、日経平均はプラス圏に急浮上
した。「介入報道をきっかけに先物に大口買いが連発で約6000枚入った」(大手証券
エクイティ部)という。日経平均は、前日終値比で150円を超す上昇幅で前引けた。
前場の東証1部騰落数は、値上がり1106銘柄に対し値下がり373銘柄、変わらず
が173銘柄だった。東証1部売買代金は7425億円。
野田財務相は午前10時50分から会見を行い、政府・日銀が午前の外為市場で単独介
入を実施したことを明らかにした。国際連携について「必要な当局とは緊密に連携をとっ
ているが、コメントを控える」と述べるにとどめた。今後も「必要な時には為替介入を含
めて断固たる措置をとる」と市場動向次第で市場介入を継続する考えを示した。一方、日
銀は「為替市場における財務省の行動が、為替相場の安定的な形成に寄与することを強く
期待している」とする総裁談話を発表した。
市場関係者の間からは「これで当面の円高のピークは打った」(国内証券)と安堵の声
があがった。ただ、為替介入の効果については、懐疑的な見方が出ている。立花証券・執
行役員の平野憲一氏は単独介入の効果は限定的とみる。「欧米が自国通貨安政策で輸出を
促し、アジアやアフリカ諸国の需要争奪戦を繰り広げている中、大きな円高の流れは変わ
らないのではないか」と話す。
為替介入が実施されるまで、東京市場では「円高が進行したわりには、日経平均の下げ
は限定的となった」(国内証券トレーダー)との声もあがっていた。SMBCフレンド証
券・シニアストラテジストの松野利彦氏は「ここから円高が進んだとしても80円を瞬間
突破する程度と、マーケット参加者は見切っている様子。円高に対して徐々に株価は抵抗
力を付けている」と指摘していた。リテラクレア証券・情報部長の清水洋介氏は「海外で
製造し海外で売るなど、国内企業の円高に対する耐久力は強まってきている」と指摘。大
和証券キャピタル・マーケッツ金融証券研究所投資戦略部・部長の高橋和宏氏は「為替動
向以外の材料とみると、中国や他の新興国経済の堅調さなどが下支えとなっており、株価
の下値も底堅いとみている」と述べた。
一方、日米株ともに薄商いが続いている。三菱UFJモルガン・スタンレー証券投資情
報部・投資ストラテジストの山岸永幸氏は「グローバルに株離れが加速しているようだ。
日本や米国などデフレ国に対する投資意欲は弱く、代替投資先として金などの商品や新興
国などインフレ国に資金が流入している」と述べた。
個別銘柄では、トヨタ自動車<7203.T>、ホンダ<7267.T>、ソニー<6758.T>、キヤノン
<7751.T>などの主力輸出株が切り返した。三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>、
三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>、みずほフィナンシャルグループ<8411.T>など
の大手銀行株は総じて堅調だった。
クラリオン<6796.T>が続伸。14日に発表した2010年9月中間期業績予想の上方修
正を好感した。主力の車載機器が国内OEM(相手先ブランドによる生産)市場で伸びた
ほか、米州でも主要取引先の自動車販売が増加していることが寄与する。
明治ホールディングス<2269.T>も続伸となった。14日に発表した2020年に向けた
長期経営指針「明治グループ2020ビジョン」が評価されたという。
(ロイター日本語ニュース 石渡 亜紀子記者)