■業績動向
(5) 2016年12月期業績見通し
サイバーリンクス (T:3683)の2016年12月期業績予想についは、期初計画(売上高9,590百万円、営業利益500百万円、当期純利益307百万円)を据え置いた。
第2四半期の通期計画に対する進捗率は売上高48.8%、営業利益81.6%、当期純利益82.3%となっており、売上高は前期53.7%を下回るものの、利益は前期(営業利益74.9%、当期純利益77.2%)を上回る水準にある。
第2四半期累計の利益実績が計画を上回り、受注も好調に推移したにもかかわらず、同社が通期計画を据え置いたのは、総務省が策定したガイドラインにより携帯電話市場における通信キャリアのシェア争いが鎮静化した状態が続くと予想、モバイルネットワーク事業における市場環境が先行き不透明とみていることによる。
セグメント別の見通しは以下のとおり。
a) ITクラウド事業
ITクラウド事業の売上高は前期比1.8%増の5,045百万円、セグメント経常利益は同31.1%減の349百万円と増収ながら、2ケタ減益を見込んでいる。
増収となるのは、官公庁クラウド分野も上期とは異なり下期は堅調に推移すると予想されることに加えて、流通クラウド分野が、1)新サービス「BACREX」が通期でフル寄与する、2)「店POWER」を大規模小売業に導入予定である、3)クラウドランドを完全子会社化する(11月末)——ことなどから、順調に推移すると見込むことによる。
一方、減益となるのは、クラウド基盤設備の拡充の設備投資やM&A等の償却費負担の増加、「@rms基幹次期バージョン」のテストフェーズの費用増、先進技術取得のための投資負担——などがマイナス要因として働くためだ。
b)モバイルネットワーク事業
モバイルネットワーク事業の売上高は同4.7%増の4,545百万円、セグメント経常利益は同7.7%減の386百万円と増収、減益を予想している。
増収になるのは、iPhone7の発売により、販売台数(前期比3.4%増)の増大及び端末販売価格が上昇を予想しているほか、上期と同様に高採算の周辺商材の販売強化を継続する効果を見込んでいることが要因。
一方、減益を予想するのは、下期からドコモショップ店舗大型化のための設備投資を行うことによる。
弊社では、第2四半期累計の利益の進捗率が昨年を上回っていることを手掛かりに、1)モバイルネットワーク事業の先行き不透明感はあるものの、iPhone7の販売開始や高採算の周辺商材の販売注力により、大きな落ち込みは想定し難い、2)流通クラウド分野の受注が好調であることに加えて、「@rms基幹次期バージョン」のテストフェーズは順調となっていることなどを考慮すると、ITクラウド事業が堅調に推移する可能性が高い、——と予想されることから、据え置かれた会社計画は保守的とみている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正 )
(5) 2016年12月期業績見通し
サイバーリンクス (T:3683)の2016年12月期業績予想についは、期初計画(売上高9,590百万円、営業利益500百万円、当期純利益307百万円)を据え置いた。
第2四半期の通期計画に対する進捗率は売上高48.8%、営業利益81.6%、当期純利益82.3%となっており、売上高は前期53.7%を下回るものの、利益は前期(営業利益74.9%、当期純利益77.2%)を上回る水準にある。
第2四半期累計の利益実績が計画を上回り、受注も好調に推移したにもかかわらず、同社が通期計画を据え置いたのは、総務省が策定したガイドラインにより携帯電話市場における通信キャリアのシェア争いが鎮静化した状態が続くと予想、モバイルネットワーク事業における市場環境が先行き不透明とみていることによる。
セグメント別の見通しは以下のとおり。
a) ITクラウド事業
ITクラウド事業の売上高は前期比1.8%増の5,045百万円、セグメント経常利益は同31.1%減の349百万円と増収ながら、2ケタ減益を見込んでいる。
増収となるのは、官公庁クラウド分野も上期とは異なり下期は堅調に推移すると予想されることに加えて、流通クラウド分野が、1)新サービス「BACREX」が通期でフル寄与する、2)「店POWER」を大規模小売業に導入予定である、3)クラウドランドを完全子会社化する(11月末)——ことなどから、順調に推移すると見込むことによる。
一方、減益となるのは、クラウド基盤設備の拡充の設備投資やM&A等の償却費負担の増加、「@rms基幹次期バージョン」のテストフェーズの費用増、先進技術取得のための投資負担——などがマイナス要因として働くためだ。
b)モバイルネットワーク事業
モバイルネットワーク事業の売上高は同4.7%増の4,545百万円、セグメント経常利益は同7.7%減の386百万円と増収、減益を予想している。
増収になるのは、iPhone7の発売により、販売台数(前期比3.4%増)の増大及び端末販売価格が上昇を予想しているほか、上期と同様に高採算の周辺商材の販売強化を継続する効果を見込んでいることが要因。
一方、減益を予想するのは、下期からドコモショップ店舗大型化のための設備投資を行うことによる。
弊社では、第2四半期累計の利益の進捗率が昨年を上回っていることを手掛かりに、1)モバイルネットワーク事業の先行き不透明感はあるものの、iPhone7の販売開始や高採算の周辺商材の販売注力により、大きな落ち込みは想定し難い、2)流通クラウド分野の受注が好調であることに加えて、「@rms基幹次期バージョン」のテストフェーズは順調となっていることなどを考慮すると、ITクラウド事業が堅調に推移する可能性が高い、——と予想されることから、据え置かれた会社計画は保守的とみている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正 )