■中期経営計画
○インドネシア-日本生産方式の新工場が本格稼働
インドネシア政府は、2015年1月にインフラ開発5ヶ年計画をまとめた。
総事業費は、約51兆5千億円になる。
ガソリン補助金の撤廃や燃料補助金を圧縮する一方、インフラ開発投資を拡充する。
投資許可の窓口を集約し、着工までの期間を短縮するなどの投資促進策も打ち出す。
ダイキアクシス (T:4245)は、2013年10月にインドネシアのPT.BESTINDO AQUATEK SEJAHTERA(現 PT. DAIKI AXIS INDONESIA)を買収し、連結子会社とし、東南アジア地域の橋頭堡を獲得した。
2015年6月に、インドネシア第2の都市のスラバヤに支店を開設した。
2015年8月に、同社のグループ会社であることを明確にするため、子会社の商号を変更した。
2015年4月に、東京本社に海外展開を促進する東日本特需事業本部を設置した。
東京から、現地に進出している日系企業への働きかけや日本政府の支援策を活用する。
インドネシアの子会社は、現地企業を買収したためローカルな販売チャネルを有する。
同子会社を増資し、約6億円を投入してジャカルタ近郊に新工場を建設した。
2015年7月に本格稼働を開始した新工場は、生産能力を以前の5倍に拡大し、円筒タイプ・カプセルタイプをそれぞれ年200~250基生産することができる。
同時に、新規生産設備の導入により自動化を進め、日本品質を確立するとともに生産性を向上させた。
製品面では、一年中温暖な東南アジアでは低温時の対策が不要であることから、機能を絞り込んで製造コストを削減した。
合併浄化槽を利用する住居、ビル、工場、商業施設の個別処理システムがターゲットになる。
インドネシアの新工場が本格稼働を開始したことから、近隣諸国への輸出実績ができてきた。
日系メーカーとの競争では、他社が日本から輸入する製品に15~20%の関税がかかるのに対し、同社のインドネシア製製品へはかからず、コスト優位性を発揮できる。
企業家精神が旺盛な現地企業とのディストリビューター契約により拡大に拍車がかかることが期待される。
○ミャンマー-納入実績を作る
2016年1月に、ミャンマーにおける販売代理店として1社と契約した。
今期に入って納入実績ができた。
それらは、ティラワ工場団地内の商業施設(処理能力188立米/日)と外資系のノボテル・ホテルへの設備(同300立米/日)になる。
今期中に、10件の案件を見込んでいる。
経済発展に伴う汚濁量増加に伴い、政府による規制運用が強化され、水質の汚濁状況を表すBOD(生物化学的酸素要求量)ではBOD20が標準化されている。
ミャンマーの品質基準に、固有メーカー名と同等レベルのものとの表示がある。
現在、同社は認定メーカーとなることを目指している。
○ベトナム-排水規制の厳格化
農業国のベトナムは、BOD、窒素、アンモニアなどに対する排水規制の厳格化を進めており、処理性能の高い日本仕様製品への需要が期待される。
同社は、現在ローカルパートナーを選定中だ。
○マレーシア-日本の環境省にモデル事業が採択される
日本の環境省は、2013年度より政府の成長戦略の一環として日本企業のアジア水ビジネス市場進出を支援する「アジア水環境改善モデル事業」を実施している。
2014年度に、公益財団法人 日本環境整備教育センター、(株)極東技工コンサルタントと同社の3社が提案した「マレーシアにおける浄化槽整備による生活排水処理事業」(浄化槽モデル)が採択された。
同社は、メーカーとしての役割を担う。
マレーシアでは、急速な都市化に伴い、生活排水による河川の水質汚濁が進行している。
既設のセプティックタンク(腐敗槽)は、汚水のみで生活排水の処理ができない。
同プロジェクトは、日本の技術である汚水・生活排水の両方を処理する浄化槽で老朽化したコミュニティ・セプティックタンク(CST)を更新し、地域の衛生環境及び水環境の改善に貢献するというもの。
日本企業と現地企業が協力し、浄化槽によるCSTの更新ビジネスを展開する。
それと並行して、商用施設を対象とした浄化槽ビジネスも想定している。
浄化槽の単品販売ではなく、このようなメンテナンスやチェック機能を含むパッケージを提供するビジネスモデルが確立できれば、事業展開がスムーズに行えることになるだろう。
○インド-「クリーン・インディア」プロジェクトによる大きな事業機会
インドでは、「スワッチ・バーラト」(クリーン・インディア)がモディ政権の最優先課題の一つになっている。
インドの下水道普及率は約15%にとどまる。
2014年10月に発表された「クリーン・インディア」プロジェクトでは、国父マハトマ・ガンディーの生誕150周年になる2019年までに約3兆5,000億円を投じて、1億2,000万家庭に専用トイレを設置するという目標を掲げている。
小中学校のトイレや公衆トイレも整備する。
人口の約48%、農村では67%が専用のトイレを持っていない。
「屋外排泄」が恒常化しており、公衆衛生の脅威になっている。
また、学校に、男女別のトイレがないため、女子生徒が通学を断念する事態に陥っている。
夜間の屋外排泄が、女性に対する性的暴行を引き起こす原因となっている。
同社は、2016年1月にローカルパートナーとMoU(了解覚書)を取り交わし、今後のマーケティング方法を討議している。
2016年7月に、インド政府に浄化槽を寄贈した。
式典には、国土交通大臣が出席した。
浄化槽(処理能力10立米/日)の設置場所は、インド中西部にあるナーグプル市の公園内のトイレ、村の公衆トイレ、テストマーケティングとしてプラスチック工場の排水処理用の3件になる。
○シンガポール
2016年中に、シンガポールにアジア市場の開拓を本格化させるため統括会社を設置する計画でいる。
海外売上高は、2016年12月期が前期比50.0%増の903百万円、2018年12月期に1,224百万円が計画されている。
今後は、成功モデルを積み上げ、現地の代理店契約を進め、海外事業の飛躍を図る。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
○インドネシア-日本生産方式の新工場が本格稼働
インドネシア政府は、2015年1月にインフラ開発5ヶ年計画をまとめた。
総事業費は、約51兆5千億円になる。
ガソリン補助金の撤廃や燃料補助金を圧縮する一方、インフラ開発投資を拡充する。
投資許可の窓口を集約し、着工までの期間を短縮するなどの投資促進策も打ち出す。
ダイキアクシス (T:4245)は、2013年10月にインドネシアのPT.BESTINDO AQUATEK SEJAHTERA(現 PT. DAIKI AXIS INDONESIA)を買収し、連結子会社とし、東南アジア地域の橋頭堡を獲得した。
2015年6月に、インドネシア第2の都市のスラバヤに支店を開設した。
2015年8月に、同社のグループ会社であることを明確にするため、子会社の商号を変更した。
2015年4月に、東京本社に海外展開を促進する東日本特需事業本部を設置した。
東京から、現地に進出している日系企業への働きかけや日本政府の支援策を活用する。
インドネシアの子会社は、現地企業を買収したためローカルな販売チャネルを有する。
同子会社を増資し、約6億円を投入してジャカルタ近郊に新工場を建設した。
2015年7月に本格稼働を開始した新工場は、生産能力を以前の5倍に拡大し、円筒タイプ・カプセルタイプをそれぞれ年200~250基生産することができる。
同時に、新規生産設備の導入により自動化を進め、日本品質を確立するとともに生産性を向上させた。
製品面では、一年中温暖な東南アジアでは低温時の対策が不要であることから、機能を絞り込んで製造コストを削減した。
合併浄化槽を利用する住居、ビル、工場、商業施設の個別処理システムがターゲットになる。
インドネシアの新工場が本格稼働を開始したことから、近隣諸国への輸出実績ができてきた。
日系メーカーとの競争では、他社が日本から輸入する製品に15~20%の関税がかかるのに対し、同社のインドネシア製製品へはかからず、コスト優位性を発揮できる。
企業家精神が旺盛な現地企業とのディストリビューター契約により拡大に拍車がかかることが期待される。
○ミャンマー-納入実績を作る
2016年1月に、ミャンマーにおける販売代理店として1社と契約した。
今期に入って納入実績ができた。
それらは、ティラワ工場団地内の商業施設(処理能力188立米/日)と外資系のノボテル・ホテルへの設備(同300立米/日)になる。
今期中に、10件の案件を見込んでいる。
経済発展に伴う汚濁量増加に伴い、政府による規制運用が強化され、水質の汚濁状況を表すBOD(生物化学的酸素要求量)ではBOD20が標準化されている。
ミャンマーの品質基準に、固有メーカー名と同等レベルのものとの表示がある。
現在、同社は認定メーカーとなることを目指している。
○ベトナム-排水規制の厳格化
農業国のベトナムは、BOD、窒素、アンモニアなどに対する排水規制の厳格化を進めており、処理性能の高い日本仕様製品への需要が期待される。
同社は、現在ローカルパートナーを選定中だ。
○マレーシア-日本の環境省にモデル事業が採択される
日本の環境省は、2013年度より政府の成長戦略の一環として日本企業のアジア水ビジネス市場進出を支援する「アジア水環境改善モデル事業」を実施している。
2014年度に、公益財団法人 日本環境整備教育センター、(株)極東技工コンサルタントと同社の3社が提案した「マレーシアにおける浄化槽整備による生活排水処理事業」(浄化槽モデル)が採択された。
同社は、メーカーとしての役割を担う。
マレーシアでは、急速な都市化に伴い、生活排水による河川の水質汚濁が進行している。
既設のセプティックタンク(腐敗槽)は、汚水のみで生活排水の処理ができない。
同プロジェクトは、日本の技術である汚水・生活排水の両方を処理する浄化槽で老朽化したコミュニティ・セプティックタンク(CST)を更新し、地域の衛生環境及び水環境の改善に貢献するというもの。
日本企業と現地企業が協力し、浄化槽によるCSTの更新ビジネスを展開する。
それと並行して、商用施設を対象とした浄化槽ビジネスも想定している。
浄化槽の単品販売ではなく、このようなメンテナンスやチェック機能を含むパッケージを提供するビジネスモデルが確立できれば、事業展開がスムーズに行えることになるだろう。
○インド-「クリーン・インディア」プロジェクトによる大きな事業機会
インドでは、「スワッチ・バーラト」(クリーン・インディア)がモディ政権の最優先課題の一つになっている。
インドの下水道普及率は約15%にとどまる。
2014年10月に発表された「クリーン・インディア」プロジェクトでは、国父マハトマ・ガンディーの生誕150周年になる2019年までに約3兆5,000億円を投じて、1億2,000万家庭に専用トイレを設置するという目標を掲げている。
小中学校のトイレや公衆トイレも整備する。
人口の約48%、農村では67%が専用のトイレを持っていない。
「屋外排泄」が恒常化しており、公衆衛生の脅威になっている。
また、学校に、男女別のトイレがないため、女子生徒が通学を断念する事態に陥っている。
夜間の屋外排泄が、女性に対する性的暴行を引き起こす原因となっている。
同社は、2016年1月にローカルパートナーとMoU(了解覚書)を取り交わし、今後のマーケティング方法を討議している。
2016年7月に、インド政府に浄化槽を寄贈した。
式典には、国土交通大臣が出席した。
浄化槽(処理能力10立米/日)の設置場所は、インド中西部にあるナーグプル市の公園内のトイレ、村の公衆トイレ、テストマーケティングとしてプラスチック工場の排水処理用の3件になる。
○シンガポール
2016年中に、シンガポールにアジア市場の開拓を本格化させるため統括会社を設置する計画でいる。
海外売上高は、2016年12月期が前期比50.0%増の903百万円、2018年12月期に1,224百万円が計画されている。
今後は、成功モデルを積み上げ、現地の代理店契約を進め、海外事業の飛躍を図る。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)