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欧米為替見通し:ドル・円は小じっかりか、英国内のEU離脱交渉に関する審議に思惑

発行済 2016-10-12 17:30
更新済 2016-10-12 17:33
欧米為替見通し:ドル・円は小じっかりか、英国内のEU離脱交渉に関する審議に思惑


今日の欧米外為市場では、ドル・円は小じっかりの展開を予想したい。
英国の欧州連合(EU)離脱に伴い単一市場へのアクセス権を失う「ハード・ブレグジット」を回避する動きが英国内で出始め、過度な警戒は弱まる見通し。
それがリスク回避ムードの後退につながれば、円買い余地は狭まることになり、米連邦準備制度理事会(FRB)の年内利上げ観測と相まって、ドル・円は上げやすくなるとみられる。


英国のメイ首相は3月末までに開始するEU離脱交渉について、移民流入制限を優先する意向を示しており、単一市場へのアクセス権が維持できず経済に重大な影響が及ぶ可能性があるとの懸念から、ポンドは対ドルで10月初旬から6%超も下落。
市場にはリスク回避的な動きが広がっている。


ただ、通信社によると、野党・労働党は、政府が離脱交渉を開始するのに先立ち、議会が離脱プランを検証できることなどを盛り込んだ動議を提出。
12日にも審議される見通しで、与党・保守党の一部も支持しているようだ。
外国の金融機関の金融街からの撤退などで英国の地位低下や経済の規模縮小が危ぶまれるなか、議会が政府の暴走を食い止める余地が生まれる可能性から、下値の見えないポンド売りが短期的に弱まる可能性があろう。


一方、日本時間13日3時発表の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(9月20-21日開催分)が注目される。
その時のFRBの利上げ見送りは織り込み済みだったが、8月から9月にかけては複数の当局者が9月利上げに前向きな発言を繰り返していた。
そのため、利上げ見送りの合理的な説明と、年内利上げの可能性が示されれば、足元のドル買い基調は継続が見込まれる。



【今日の欧米市場の予定】
・18:00 ユーロ圏・8月鉱工業生産(前月比予想:+1.5%、7月:-1.1%)
・20:00 米・MBA住宅ローン申請指数(先週)(前回:+2.9%)
・21:00 ダドリーNY連銀総裁講演
・22:40 ジョージ米カンザスシティー連銀総裁講演
・23:00 米・8月JOLT求人件数(予想:580.0万件、7月:587.1万件)
・24:30 米財務省3年債入札(240億ドル)
・02:00 米財務省10年債入札(200億ドル、リオープン)
・03:00 米・FOMC議事録(9月20-21日開催分)


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