15日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・需給動向を見極めつつ、物色対象を探る展開に
・ドル・円は117円40銭付近、ドル・円は伸び悩み、日本株の失速
・みずほFG、ブリヂストンなど12社の目標株価変更
■需給動向を見極めつつ、物色対象を探る展開に
日経平均は小反落。
28.37円安の19225.24円(出来高概算12億1000万株)で前場の取引を
終えている。
注目されていた米FRBは、1年ぶりとなる政策金利の引き上げを全員一致で決定した。
同時に、向こう1年に従来予想以上の速さで利上げを実施するとの見通しを示した。
これを受けて米国市場は利食いの流れが強まったが、円相場は1ドル117円台に乗せ、シカゴ日経225先物清算値は大阪比160円高の19340円だった。
米国株の下落影響は限られるなか、日本株市場は円安を手掛かりにシカゴ先物にサヤ寄せする格好から買いが先行した。
しかし、イベント通過によって海外勢のフローが限られてくるほか、一夜明けた米国市場の動向を見極めたいとするムードもあり、利益確定の流れも強まってきている。
寄付き直後に19436.90円まで上げ幅を拡大すると、その後は利食い優勢の展開に。
セクターでは輸送用機器、精密機器、小売、海運、ガラス土石、その他金融がしっかり。
一方で、石油石炭、鉱業、電力ガス、鉄鋼が一服。
東証1部の騰落銘柄は、若干値下がり数が上回っている。
日経平均は年初来高値を更新した後は、売り買いが交錯している。
来年の利上げ見通しを受けた米株安は想定されていた面はあるだろうが、一夜明けた米国市場がFOMC通過からトランプ物色が再燃するかを見極めたいところであろう。
海外投資家はクリスマス休暇に入り、これから年末に向けてはより商いが細りやすくなる。
需給動向を見極めつつ、物色対象を探る展開になりそうだ。
そのため、本日は円安を背景に輸出関連が動意付いているが、次第に中小型株に資金がシフトしてくる相場展開を意識しておく必要がありそうだ。
限られた資金が一部の銘柄に集中しやすく、波及効果は期待しづらいほか、資金の逃げ足の速さにも注意が必要だ。
(株式部長・アナリスト 村瀬智一)
■ドル・円は117円40銭付近、ドル・円は伸び悩み、日本株の失速
15日午前の東京外為市場では、ドル・円は伸び悩み。
日本株は高寄りしたが、その後失速したことでドル買いは続いていないようだ。
ドル・円は、米連邦準備制度理事会(FRB)による1年ぶりの利上げと引き締めペース加速への期待感から前日のNY市場で117円台を回復。
今日のアジア市場ではその流れを受け継ぎ、ドル買い・円売り基調を背景に一時117円86銭まで上昇した。
ただ、日経平均株価は上昇が続かず、前日終値を割り込んだ。
また、ランチタイムの日経平均先物もマイナス圏推移となっており、ドル買い・円売りはやや後退。
目先の株価の反転期待から再びドル買いに振れる可能性はあるが、118円を目指すには材料が乏しいだろう。
ここまでのドル・円の取引レンジは117円01銭から117円86銭、ユーロ・円は123円07銭から123円55銭、ユーロ・ドルは1.0468ドルから1.0516ドルで推移した。
12時31分時点のドル・円は117円40銭、ユーロ・円は123円37銭、ポンド・円は147円18銭、豪ドル・円は87円09銭で推移している。
(為替・債券アナリスト 吉池威)
■後場のチェック銘柄
・みずほFG (T:8411)、ブリヂストン (T:5108)など12社の目標株価変更
・菅官房長官
「米利上げは、世界経済に悪いことではない」
☆後場の注目スケジュール☆
・EU首脳会議(16日まで)
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