■成長戦略とその進捗
1. 成長戦略の方向性
リアルワールド (T:3691)の成長戦略は、クラウドメディアとクラウドソーシングの一層の融合と更なる進化を図ることにより、より価値の高いリアルワールドエコシステム(「暮らすこと」「働くこと」を中心とした人が生きていくためのライフサイクル)の実現を目指すものである。
特に、日本の労働力減少に対する政策である「一億総活躍社会(同一労働同一賃金)」の実現に向け、これまでのクラウドソーシングに限らず、結婚・妊娠・出産・子育てなど、様々なライフイベントに対して多様な働き方を柔軟に提供する「ワークエコシステム」の確立に注力する方針である。
2. 2017年9月期上期の主な活動実績
(1) 在宅特化型無料求人サイト「ecorista(エコリスタ)」の開設(2016年11月)
子会社のリアルキャリアにより、国内初となる在宅に特化した広告掲載費無料の求人サイト「ecorista(エコリスタ)」をリリースした。
顧客企業は同社の会員基盤(1,000万人超)を活用することにより、個人契約での業務委託や派遣など在宅型での多様な労働力を確保することができる。
特に、求人サイトへの広告掲載費や雇用スペースなどの設備投資が不要となる上、需要に応じた最適なスキルマッチングが可能となっている。
また、リアルキャリアのコーディネーター(クラウドディレクター)が会員と顧客企業の間に入ることによって、会員へは個人に適した多種多様な仕事の供給を、顧客企業へは納期や品質の保証、希望条件に見合った会員の選定を行っているところに特徴がある。
(2) FinTech企業のTORANOTECへの出資(2016年12月)
資産運用とおつりで投資する新たな資産形成アプリ「トラノコ」の開発・運営を行うFinTech企業TORANOTEC(株)への出資を行った。
「トラノコ」は、クレジット・カード、公共交通機関共通乗車カードなどから毎日コツコツ、自然と投資資金を積み上げていくアプリである。
同社は、ポイント資産及び会員の投資ニーズに対して、マイクロファイナンスの考え方を取り入れたサービスを展開していく方針であり、本件もその一環として位置付けられる。
(3) AI(人工知能)の画像認識分野の教師データ収集を本格始働(2017年1月)
市場拡大が予想されているAI(人工知能)へ学習させるため、これまで提供してきた音声教師データに続き、画像教師データの収集サービスも本格始動した。
1,000万人を超える会員基盤を保有するクラウドソーシングを活用し、大量の教師データを短期間で収集することができるところに強みがあると言える。
弊社では、外部要因(労働の需給環境の変化)及び内部要因(1,000万人超の会員基盤やハイブリッド型の確立など)の両面から判断して、在宅ワークを含めたクラウドソーシングが今後の業績の伸びをけん引するものとみている。
もっとも、会員を囲い込むためのクラウドメディアや会員向けサービスのインフラとなっているポイント交換サービスの重要性に変化はない。
別の見方をすれば、ハードル(マネタイズの難易度)が上がってきた広告収入への依存度が低下することはプラスの材料と言える。
注目すべき点は、1,000万人を超える会員基盤や新しい技術(音声や画像認識分野を含む)の活用などにより、今後の市場拡大が期待されるAI(及びビッグデータ)関連の需要をいかに取り込んでいくのか、そして順調に立ち上がってきた在宅ワーク(ハイブリッド型を含め)の展開スピードをいかに速めていくのかにある。
特に、在宅ワークは、単価が高い上、ストック型の収益モデルへの転換が期待できることから、業績の伸びや安定性の両面で貢献する可能性が高いとみている。
また、様々な可能性が考えられるFinTech分野についても、他社との提携などにより、どのような独自サービスを展開していくのか、その成果にも期待したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
1. 成長戦略の方向性
リアルワールド (T:3691)の成長戦略は、クラウドメディアとクラウドソーシングの一層の融合と更なる進化を図ることにより、より価値の高いリアルワールドエコシステム(「暮らすこと」「働くこと」を中心とした人が生きていくためのライフサイクル)の実現を目指すものである。
特に、日本の労働力減少に対する政策である「一億総活躍社会(同一労働同一賃金)」の実現に向け、これまでのクラウドソーシングに限らず、結婚・妊娠・出産・子育てなど、様々なライフイベントに対して多様な働き方を柔軟に提供する「ワークエコシステム」の確立に注力する方針である。
2. 2017年9月期上期の主な活動実績
(1) 在宅特化型無料求人サイト「ecorista(エコリスタ)」の開設(2016年11月)
子会社のリアルキャリアにより、国内初となる在宅に特化した広告掲載費無料の求人サイト「ecorista(エコリスタ)」をリリースした。
顧客企業は同社の会員基盤(1,000万人超)を活用することにより、個人契約での業務委託や派遣など在宅型での多様な労働力を確保することができる。
特に、求人サイトへの広告掲載費や雇用スペースなどの設備投資が不要となる上、需要に応じた最適なスキルマッチングが可能となっている。
また、リアルキャリアのコーディネーター(クラウドディレクター)が会員と顧客企業の間に入ることによって、会員へは個人に適した多種多様な仕事の供給を、顧客企業へは納期や品質の保証、希望条件に見合った会員の選定を行っているところに特徴がある。
(2) FinTech企業のTORANOTECへの出資(2016年12月)
資産運用とおつりで投資する新たな資産形成アプリ「トラノコ」の開発・運営を行うFinTech企業TORANOTEC(株)への出資を行った。
「トラノコ」は、クレジット・カード、公共交通機関共通乗車カードなどから毎日コツコツ、自然と投資資金を積み上げていくアプリである。
同社は、ポイント資産及び会員の投資ニーズに対して、マイクロファイナンスの考え方を取り入れたサービスを展開していく方針であり、本件もその一環として位置付けられる。
(3) AI(人工知能)の画像認識分野の教師データ収集を本格始働(2017年1月)
市場拡大が予想されているAI(人工知能)へ学習させるため、これまで提供してきた音声教師データに続き、画像教師データの収集サービスも本格始動した。
1,000万人を超える会員基盤を保有するクラウドソーシングを活用し、大量の教師データを短期間で収集することができるところに強みがあると言える。
弊社では、外部要因(労働の需給環境の変化)及び内部要因(1,000万人超の会員基盤やハイブリッド型の確立など)の両面から判断して、在宅ワークを含めたクラウドソーシングが今後の業績の伸びをけん引するものとみている。
もっとも、会員を囲い込むためのクラウドメディアや会員向けサービスのインフラとなっているポイント交換サービスの重要性に変化はない。
別の見方をすれば、ハードル(マネタイズの難易度)が上がってきた広告収入への依存度が低下することはプラスの材料と言える。
注目すべき点は、1,000万人を超える会員基盤や新しい技術(音声や画像認識分野を含む)の活用などにより、今後の市場拡大が期待されるAI(及びビッグデータ)関連の需要をいかに取り込んでいくのか、そして順調に立ち上がってきた在宅ワーク(ハイブリッド型を含め)の展開スピードをいかに速めていくのかにある。
特に、在宅ワークは、単価が高い上、ストック型の収益モデルへの転換が期待できることから、業績の伸びや安定性の両面で貢献する可能性が高いとみている。
また、様々な可能性が考えられるFinTech分野についても、他社との提携などにより、どのような独自サービスを展開していくのか、その成果にも期待したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)