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アルファ Research Memo(3):2017年3月期は円高環境の中でも構造改革が進展し大幅増益を達成

発行済 2017-07-05 15:45
更新済 2017-07-05 16:00
アルファ Research Memo(3):2017年3月期は円高環境の中でも構造改革が進展し大幅増益を達成
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■業績動向

1. 2017年3月期の業績概要
アルファ (T:3434)の2017年3月期業績は売上高51,066百万円(前期比2.1%増)、営業利益3,016百万円(同126.0%増)、経常利益2,119百万円(前期は96百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純利益377百万円(同397百万円の損失)となった。
売上高は円高の影響(1米ドル=120円→108円)から海外拠点の増収効果が約4,700百万円目減り、営業利益も300百万円程度の影響を受けたものの、構造改革の進展で円高やコストアップなどを内製化や固定費削減などでカバーし増益を達成した。
2016年10月3日に行った業績修正予想に対しては、売上高で3,066百万円、営業利益で916百万円、経常利益で769百万円、親会社株主に帰属する当期純利益では1,177百万円(損失予想が黒字転換)それぞれ上回り、上方修正での着地となった。
為替影響を除いた実質ベースでは11.4%増収、営業利益は2.53倍となる。
営業利益1,334百万円から3,016百万円への利益増減要因では、為替影響が440百万円の損失、その他で250百万円損失の減益要因があったものの、直接材料費削減や合理化効果その他経費削減で1,550百万円、固定費削減などによる限界利益の向上で820百万円などの増益要因が大きく寄与した。


2. 事業別収益動向
(1) 自動車部品事業
自動車部品事業は、売上高42,377百万円(前期比0.2%増)、営業利益1,875百万円(同213.0%)で、国内が販売回復から損失縮小、海外事業が好調で営業利益が前期を大きく上回った。
具体的には国内売上が20.3%増の9,976百万円と、主要納入先の日産が2017年度新車登録台数で12.0%増と好調に推移したことが寄与、営業利益では依然として余剰設備状況にはあるものの、営業損失が863百万円縮小し、345百万円の損失まで改善した。
なお四半期推移では2017年3月期第3四半期に2013年3月期第3四半期以来となる257百万円の営業黒字を計上、第4四半期も73百万円の損失にとどまるなど、着実に損失縮小の動きにある。
北米については主要顧客の生産台数が増加も、円高による目減りがあり、売上高は前期比6.4%減の13,279百万円にとどまったものの、営業利益はメキシコ工場の増産効果が寄与し同42.5%増の818百万円となった。
アジア地区では新たにインドネシア子会社を連結に加えるなどもあったが、円高影響で売上高は同12.3%減の17,236百万円にとどまった。
しかし営業利益は主要顧客の生産増、合理化効果もあり、同12.0%増の1,381百万円となった。
また今回、ASSA ABLOY ABからの事業譲受のため、第4四半期から欧州向けの売上高を計上、第4四半期で売上高1,886百万円、営業利益21百万円が加わった。


(2) セキュリティ機器事業
セキュリティ機器事業は国内のターミナルロッカー、電気錠などの好調で、売上高8,685百万円(前期比12.2%増)、営業利益1,078百万円(同63.6%増)と収益上伸となった。
主力の国内売上は、売上高が16.6%増の8,316百万円と好調に推移した。
特に売上高の約半分を占めるとみられる電気錠は、2012年にYKK AP(株)と共同開発した戸建向けだけでなく、賃貸住宅での鍵管理や金属鍵の交換の煩雑さなどから集合住宅向け電気錠の利用が増加、さらにオフィス、トランクルームなど利用用途の拡大等により、前期も同部門の成長をけん引している。
またターミナルロッカーはインバウンドでの訪日外国人増大から、電子マネー対応、多言語利用可能な機器の導入が進みつつある。
同社は同分野でもシェアトップ企業であり、地域的にも関東圏でのシェアが相対的に高いこともあり、順調な伸びを確保した。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)

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