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東京外為市場・正午=ドル77円前半、にわかに日銀への追加緩和期待

発行済 2011-09-07 12:20

       ドル/円   ユーロ/ドル  ユーロ/円

正午現在   77.38/42  1.4026/29  108.55/60

午前9時現在 77.52/54  1.4009/10  108.61/64

NY17時現在 77.55/60  1.3994/99 108.68/73

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 [東京 7日 ロイター] 正午のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ

て小幅安の77円前半で推移している。輸出企業のドル売りなどで、77円後半から下落

した。一方、スイス中銀が対ユーロでのスイスフラン相場に上限を設定し、通貨高阻止に

強い姿勢を見せた後とあって、市場ではにわかに日銀による追加緩和期待が高まっている。

このため、投機筋の間にはドルをロングにする向きもあり、ドル/円の下落ピッチは緩や

かだった。

 <ドル/円の1カ月ぶり高値受け、輸出企業の売り>

 スイス中銀は6日、スイスフランの対ユーロ相場に1ユーロ=1.20フランの上限目

標を設定し、達成のために無制限に介入すると発表、スイスフランが急落した。市場では、

同様に通貨高に悩む日本にも介入などの連想が働き、ドル/円は未明にかけて1カ月ぶり

高値となる77.73円まで上昇した。

 しかし、アジア市場に入るとドル/円には緩やかに売りが先行した。豪ドル/米ドルや

ユーロ/ドルなどでのドル売りが波及したことに加え、売り遅れが指摘されている輸出企

業の売りも出た。ただ「ドルの水準が上がった局面を取りたいという淡々とした売りで、

それほど積極的ではない。売りが厚みを増すのは、もっと上の水準だ」(大手銀行)との

声が上がっている。

 <にわかに日銀への追加緩和期待、見送りならドル76円台への下落も>

 一方で、スイス中銀の通貨高阻止政策を受けて、市場ではにわかに日銀に対する追加緩

和期待が高まっており、投機筋の間ではドルのポジションをロングにする動きもみられた。

 日銀による追加緩和の可能性について、市場の織り込み度合いは半々程度という。ただ、

海外市場からのドル/円の上昇でショートカバーが進んでポジションが軽くなっているこ

とから「リスクは(ドルの)下方向。追加緩和見送りや、将来的な緩和検討姿勢を示すに

とどまった場合は76円台への下落もありうる」(国内銀行)との声が聞かれる。

 また、市場には、追加緩和見送りを予想する冷静な声も多い。住友信託銀行マーケット

・ストラテジスト、瀬良礼子氏は「新政権の財政改善への具体的な動きが明らかになるま

では、日銀もどんどんカードを切るわけにはいかないのではないか。きょうの段階では、

緩和メニューを示すことなどで将来の緩和に含みを残すところまでだろう」との見方だ。

 さらに、資産買い入れ基金の増額による為替への効果が限られるため、緩和は見送られ

るとの声も聞かれる。「投機筋が狙っているのは、追加緩和というより、緩和とセットに

した介入だ。しかし、日米欧7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議前に介入をすると

は思えず、介入がなければ投機筋の投げでドルの77円割れまでの下げはありそうだ」

(大手銀行)との声も出ている。

 ドル/円の78円付近にはストップロスが観測されており、緩和が実施された場合はこ

のストップロスをつける可能性はあるという。しかし「78円台には実需を含めた売りの

ほうが多いとみており、上値余地は限定的だ」(大手銀行)との声もあった。

 スイス中銀が自国通貨高阻止に向けて強い姿勢を示す一方、日銀が政策発動を見送った

場合、両国の姿勢の強さの違いが意識され、リスク回避地合いの逃げ場が円に集中する可

能性も指摘されているが「日銀が追加緩和の期待を残すことで、円への集中にはある程度

歯止めがかかるだろう」(瀬良氏)という。

 <G7は、単独介入の黙認が狙い>

 週末のG7も話題だ。G7当局筋は、協調介入での合意はないとの見通しを示している

が、市場では単独介入に対する黙認が取り付けられればいいとの声が多い。

 8月のG7緊急声明には「市場で決定された為替レートを支持することを再確認」との

文言が盛り込まれ、市場では、日本以外のG7各国は介入に対して批判的との見方が広が

った。今回は声明は出されない見通しだが、議長国フランスなどの会見で「『市場で決定

された為替レート』への言及がなくなり、『為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、

経済及び金融の安定に悪影響』だけが残れば、半期末を迎える企業への配慮からも介入が

入る可能性がある」(大手銀行)との声が出ている。

 <外準増加で米金利低下に寄与した可能性指摘する声>

 朝方発表された8月末の外貨準備高は1兆2185億0100万ドルと前月末から

676億2400万ドル増加し、2カ月連続で過去最高を更新した。政府・日銀が8月に

実施した4.5兆円規模の介入で、外貨が大きく増えたことが主因。増加額は、米量的緩

和第2弾(QE2)の1割以上の規模になる。8月は米金利も急低下しており、米2年債

券が0.2%を大きく割り込んで過去最低を更新したほか、米10年債も2%を割り込み、

金利面からドル/円に下落圧力をかけたという。

 外準増加額のうち、証券の増加分は474億ドル。「過去の例で言えば、米国の短・中

期債で保有することが比較的多かった。今回も同じように米債を買い入れたとすれば、米

2年債の利回り低下に寄与した可能性がある」(邦銀)との声が出ている。

 なお、財務省は、月次の外準の詳細な資産別構成比は発表していない。

 (ロイターニュース 松平陽子)

※( ロイターメッセージング:yoko.matsudaira.reuters.com@reuters.net 

E-mail:yoko.matsudaira@thomsonreuters.com; 03-6441-1795)

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