ドル/円
正午現在 76.66/72 1.3727/29 105.26/30
午前9時現在 76.70/74 1.3746/50 105.45/47
NY17時現在 76.71/73 1.3741/46 105.38/43
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[東京 15日 ロイター] 正午のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比
べわずかに安い76円後半。株式相場はしっかり推移したものの、為替市場ではユーロや
豪ドル、アジア通貨など、リスク回避時に売られやすい通貨が下落した。前日にユーロが
買い戻されたのはショートカバーにすぎないとみられており、市場はユーロ圏の債務問題
に対する警戒を緩めていない。
前日に米株が上昇したことから、この日はアジア株も堅調な動きが見込まれていた。そ
のため株式相場と相関性の高いユーロや豪ドルも小じっかりとした展開が予想されていた
が、実際にはいずれの通貨も弱含んだ。ユーロ圏共同債をめぐるバローゾ欧州委員会委員
長の発言などを受け、前日はギリシャの債務問題に対する懸念がいったん後退。ユーロが
上昇したものの、あくまで持ち高調整の範囲内にすぎなかった。
「(前日にユーロが買い戻されたのは)あす、あさってのEU財務相非公式理事会前の
調整。ここ10営業日で1000ポイントぐらい下落したので、200─300ポイント
戻すのは健全だと思う」(みずほ証券のFXストラテジスト、鈴木健吾氏)との声が聞か
れた。
イタリア国債の格下げ観測も浮上し、為替市場ではリスク回避の地合いに変化がない。
マレーシアリンギやインドネシアルピア、シンガポールドルといったアジア通貨も対ドル
で下落した。欧州勢がアジアへの投資を巻き戻しているとみられ、「ここに一番注目して
いる。投機筋の資金ならまだしも、今週に入ってからこうした兆候が出ており、継続して
いるところをみると(年金など)リアルマネーの可能性もある」(信託銀行)との声が出
ていた。「欧州のアジア向けの投資はかなり規模が大きい」(同)という。
ドル/円は横ばいで推移した。五・十日に当たることから輸入企業のドル買いが強まる
と予想されていたが、上値は76.80円にとどまった。輸出企業のドル売り/円買いが
観測された上、76.80円─77.20円に個人のドル売り注文が厚く、上値が重いと
いう。輸出企業の円買いは対ユーロでもみられた。
(ロイターニュース 久保 信博記者)