日経平均<.N225> 日経平均先物12月限<0#2JNI:>
終値 8668.86 +150.29 終値 8600 +140
寄り付き 8645.38 寄り付き 8610
安値/高値 8634.02─8695.95 安値/高値 8560─8630
東証出来高(万株) 168610 出来高(単位) 37222
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[東京 15日 ロイター] 東京株式市場で日経平均は反発した。欧州債務危機に対
する過度な不安感が後退し、前日の米国株が3日続伸した流れを受け、東京市場も買いが
先行。主力株を中心に幅広い銘柄に買い戻しが入ったという。ただ欧州系投資家の売り越
し傾向は変わっておらず、引き続き円高水準にある為替などが重しとなり、上値は限定的。
今晩発表の米経済指標などを見極めたいとして商いも膨らまず、買い戻し一巡後は高値圏
でもみあった。
東証1部騰落数は値上がり1316銘柄に対し値下がり248銘柄、変わらずが104
銘柄。東証1部の売買代金は1兆0404億円となった。
14日の米国株式市場は3日続伸。ユーロ圏債務危機に対し欧州主要国が緊急に対応す
る姿勢を示したことを好感し、米主要3株価指数は軒並み前日比1%以上上昇した。米株
高を受けて東京市場も買いが先行。「欧州債務危機に対する過度な不安感が後退し、主力
株を中心に買い戻しが入りやすい」(マネックス証券チーフ・ストラテジストの広木隆氏)
とされ、幅広い銘柄が上昇した。
日経平均は8700円に迫る場面がみられたが、買い戻し一巡後は伸び悩んだ。欧州勢
によるバスケット売りが観測され、海外長期運用資金のリスク回避が指摘された。市場で
は「金融株や輸出株を中心に幅広い銘柄に買い戻しが入ったが、勢いは鈍い。ポジション
調整などが主体で株価の方向性は出にくい」(外資系証券トレーダー)との声が出ていた。
前日は買い戻し一巡後に売りに押されたが、きょうは高値圏でのもみあいを維持した。
ただ、上値の重さを指摘する声は多い。大和証券・投資情報部次長の西村由美氏は「比較
的底堅い値動きだが、あくまで輸出関連を中心とした買い戻しに過ぎない。欧州系の売り
越し傾向は変わっておらず、為替も引き続き円高水準で心理的には強気になりづらい」と
指摘。今晩に重要な米経済指標の発表を控え、動きづらいとの見方を示した。
一方、準大手証券トレーダーは「多くの短期トレーディングのポジションがフラットか
ショートに傾いているため、米株が予想外に上昇すると買い戻さざるを得なくなる。欧州
債務問題が厳しいのは事実だが、悲観シナリオを過大に織り込んでいる可能性もある」と
みていた。
14日の独・仏・ギリシャの3社電話会談を受け、ギリシャの財政破綻に対する懸念が
後退。市場はやや落ち着きを取り戻しつつあるものの、警戒感は払しょくされていない。
市場では「欧州債務危機に関する根本的な解決はまだ先で、株価の下振れ懸念は根強い。
欧米株に比べ日本株のボラティリティは上昇しておらず、目先の大きな下げはなさそうだ
が、買い手不在のなか(日経平均は)当面は8500─9000円のレンジ取引が続くと
みている」(eワラント証券ヴァイスプレジデントの堤壮一郎氏)との声が聞かれた。
個別銘柄では、ファーストリテイリング<9983.T>が続伸し、指数の押し上げに寄与した。
14日に行われた事業戦略説明会で、2020年に売上高5兆円、経常利益1兆円とする
目標達成に向け、年商20億円規模の店舗を世界で毎年300店出店する計画を明らかに
し、海外展開の加速を材料視する買いが入った。
またエルピーダメモリ<6665.T>が商いを伴って反発。円高とDRAM市況悪化への緊急
対策として、広島工場の生産能力を台湾子会社に段階的に移設することを検討すると15
日に発表したことが材料視された。海外でハイテク株が堅調だったことも、買い安心感に
つながっているという。
(ロイターニュース 杉山容俊)