ドル/円
正午現在 76.54/56 1.3565/70 103.83/88
午前9時現在 76.53/54 1.3521/24 103.47/52
NY17時現在 76.52/57 1.3529/30 103.73/78
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[東京 29日 ロイター] 正午のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点と
ほぼ同じ76円半ば。輸出企業の外貨売りが目立った前日から一転、この日の相場は静か
に推移している。株や商品の下落でユーロや豪ドルが小緩む場面もあったが、欧州金融安
定ファシリティー(EFSF)拡充案のドイツ議会での採決を控え、積極的に持ち高を傾
ける動きは見られなかった。
この日も輸出企業のドル売りが出たものの、月末引き渡しの最終取引日だった前日に比
べると、規模が小さかった。「9月末分の売りは前日にだいぶ出た。きょうはそれほど盛
り上がっていない」(国内銀行)との声が聞かれた。しかし、まだ輸出企業は外貨を売り
切れていないとみられおり、「あすの方が、売りが出て(ドル/円は)下がりそうだ」
(同)という。仲値はドルの過不足がほとんどなく通過した。
クロス円は日経平均や商品相場に左右され、方向感なく小幅に上下した。株や銅価格な
どが下落すると、ユーロ/円は103.31円まで、豪ドル/円は74.08円まで下落。
その後は商品相場の戻しとともに下落分を取り戻した。
この日は日本時間午後6時に、ドイツ議会がEFSFの拡充案を採決する。前日はフィ
ンランド議会が同案を可決したものの、ユーロ/円などクロス円の反応は限定的で、むし
ろダウ平均の下落に引っ張られて反落した。「このところの一時的な上昇がいつまで続く
かとみていたが、きのうは良いニュースにもかかわらずクロス円も株も上がらなかった。
もう(上昇は)終わったかもしれない」(JPモルガン・チェース銀行のチーフFXスト
ラテジスト、棚瀬順哉氏)との声が出ていた。きょうのドイツ議会で可決されても上昇し
なければ、「再びリスク回避の流れが強まっていく可能性が高い」(同)という。
朝方にバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の発言が伝わったが、為替市場は反
応薄だった。同議長はオハイオ州クリーブランドで講演し、インフレやインフレ期待が大
幅に低下した場合、一段の金融緩和を行う必要があるとの認識を示した。市場からは「具
体的な金融政策に言及しておらず、材料になっていない」(国内金融機関)との声が聞か
れた。
(ロイターニュース 久保 信博記者)