■要約
1. 会社概要
SFPホールディングス (T:3198)は、駅前・繁華街(路面店)での24時間営業で人気業態となっている海鮮居酒屋「磯丸水産」の運営を主力事業としている。
好立地による集客力を最大限に生かした独自の収益モデルを確立したことにより、高い収益性と成長性を実現してきた。
2017年8月末の店舗数は214店舗(他にFC 6店舗)。
そのうち、「磯丸水産」は147店舗を占め、出店エリアは首都圏に199店舗(うち、都内130店舗)と集中出店している。
最近では、「磯丸水産」と同様の収益モデルによる「鳥良商店」(鶏料理店)が2本目の柱として本格稼働するとともに、新業態(餃子専門店)も順調に立ち上がってきた。
2. 2018年2月期上期の業績
2018年2月期上期の業績は、売上高が前年同期比4.5%増の18,538百万円、営業利益が同17.3%増の1,882百万円と期初予想を上回る増収増益となった。
前期出店分(40店舗)が期初から寄与したほか、新規出店9店舗が増収要因となった。
特に、好調な「鳥良商店」が新規出店(6店舗)により大きく伸びた。
新業態も順調に立ち上がっている。
また、売上高が計画を上回ったのは、既存店売上高が好調であったことが理由であり、既存店の強化(タブレット端末の導入や店舗の改装効果等)が奏功したと言える。
利益面でも、新規出店数を抑えたことに伴う開業経費負担減や親会社グループ全体のクロスファンクショナルチーム(CFT)による採用手法の改善等による求人費の減少により、計画を上回る営業増益を実現した。
3. 2018年2月期の業績予想
2018年2月期の業績予想について同社は、期初予想を据え置き、売上高を前期比2.9%増の37,000百万円、営業利益を同1.3%増の3,350百万円と増収増益を見込んでいる。
これまでの成長ペースに比べて業績の伸びが緩やかになるのは、経営資源を既存店の強化と新規事業の開発に一旦集中させ、来期以降の持続的な成長を目指すことが理由である。
新規出店は20店舗、既存店売上高は前年比97.1%を想定している。
また、上期実績が計画を上回ったにもかかわらず通期予想を据え置いたのは、外部環境の不安定要素等を慎重にみていることが背景のようだ。
弊社では、上期実績や足元の状況等を勘案すれば、業績予想の達成は十分に可能であり、業績の上振れの可能性もフォローしていく必要があると判断している。
4. 中期経営計画
同社は、2020年2月期までの中期経営計画を推進している。
今期(2018年2月期)は一旦踊り場となるものの、来期以降、年間40店舗程度の出店ペースを想定しており、最終年度である2020年2月期の目標として、売上高を47,000 百万円(3年間の平均成長率14.3%)、経常利益を4,700百万円(同14.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益を2,850百万円(同17.0%)と見込んでいる。
弊社では、「磯丸水産」及び「鳥良商店」の出店余地や優位性から判断して、中期経営計画の達成は可能とみている。
また、新業態の「いち五郎(トラ五郎)」※が順調に立ち上がってきたこともプラス要因として捉えている。
今期の業績は一旦踊り場となる見通しであるが、来期以降の持続的な成長を実現するためには重要な時期と位置付けられる。
引き続き、既存店の強化(店舗改装及びタブレット導入の効果など)による成果や「いち五郎(トラ五郎)」を含めた新規事業の進展など、今後の成長を左右する戦略の進捗に注目していきたい。
※2017年3月に1号店「トラ五郎」(小滝橋通り/新宿)を出店した餃子業態。
2号店目からは地域の一番店を目指すという思いから「いち五郎」に屋号変更した。
■Key Points
・2018年2月期上期の業績は期初予想を上回る増収増益
・既存店の強化や新業態の立ち上げが順調に進展
・2018年2月期の通期業績についても、期初予想を据え置き、増収増益を見込む
・今期は戦略的な踊り場となるものの、来期以降の持続的な成長に向けた活動の成果に注目
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
1. 会社概要
SFPホールディングス (T:3198)は、駅前・繁華街(路面店)での24時間営業で人気業態となっている海鮮居酒屋「磯丸水産」の運営を主力事業としている。
好立地による集客力を最大限に生かした独自の収益モデルを確立したことにより、高い収益性と成長性を実現してきた。
2017年8月末の店舗数は214店舗(他にFC 6店舗)。
そのうち、「磯丸水産」は147店舗を占め、出店エリアは首都圏に199店舗(うち、都内130店舗)と集中出店している。
最近では、「磯丸水産」と同様の収益モデルによる「鳥良商店」(鶏料理店)が2本目の柱として本格稼働するとともに、新業態(餃子専門店)も順調に立ち上がってきた。
2. 2018年2月期上期の業績
2018年2月期上期の業績は、売上高が前年同期比4.5%増の18,538百万円、営業利益が同17.3%増の1,882百万円と期初予想を上回る増収増益となった。
前期出店分(40店舗)が期初から寄与したほか、新規出店9店舗が増収要因となった。
特に、好調な「鳥良商店」が新規出店(6店舗)により大きく伸びた。
新業態も順調に立ち上がっている。
また、売上高が計画を上回ったのは、既存店売上高が好調であったことが理由であり、既存店の強化(タブレット端末の導入や店舗の改装効果等)が奏功したと言える。
利益面でも、新規出店数を抑えたことに伴う開業経費負担減や親会社グループ全体のクロスファンクショナルチーム(CFT)による採用手法の改善等による求人費の減少により、計画を上回る営業増益を実現した。
3. 2018年2月期の業績予想
2018年2月期の業績予想について同社は、期初予想を据え置き、売上高を前期比2.9%増の37,000百万円、営業利益を同1.3%増の3,350百万円と増収増益を見込んでいる。
これまでの成長ペースに比べて業績の伸びが緩やかになるのは、経営資源を既存店の強化と新規事業の開発に一旦集中させ、来期以降の持続的な成長を目指すことが理由である。
新規出店は20店舗、既存店売上高は前年比97.1%を想定している。
また、上期実績が計画を上回ったにもかかわらず通期予想を据え置いたのは、外部環境の不安定要素等を慎重にみていることが背景のようだ。
弊社では、上期実績や足元の状況等を勘案すれば、業績予想の達成は十分に可能であり、業績の上振れの可能性もフォローしていく必要があると判断している。
4. 中期経営計画
同社は、2020年2月期までの中期経営計画を推進している。
今期(2018年2月期)は一旦踊り場となるものの、来期以降、年間40店舗程度の出店ペースを想定しており、最終年度である2020年2月期の目標として、売上高を47,000 百万円(3年間の平均成長率14.3%)、経常利益を4,700百万円(同14.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益を2,850百万円(同17.0%)と見込んでいる。
弊社では、「磯丸水産」及び「鳥良商店」の出店余地や優位性から判断して、中期経営計画の達成は可能とみている。
また、新業態の「いち五郎(トラ五郎)」※が順調に立ち上がってきたこともプラス要因として捉えている。
今期の業績は一旦踊り場となる見通しであるが、来期以降の持続的な成長を実現するためには重要な時期と位置付けられる。
引き続き、既存店の強化(店舗改装及びタブレット導入の効果など)による成果や「いち五郎(トラ五郎)」を含めた新規事業の進展など、今後の成長を左右する戦略の進捗に注目していきたい。
※2017年3月に1号店「トラ五郎」(小滝橋通り/新宿)を出店した餃子業態。
2号店目からは地域の一番店を目指すという思いから「いち五郎」に屋号変更した。
■Key Points
・2018年2月期上期の業績は期初予想を上回る増収増益
・既存店の強化や新業態の立ち上げが順調に進展
・2018年2月期の通期業績についても、期初予想を据え置き、増収増益を見込む
・今期は戦略的な踊り場となるものの、来期以降の持続的な成長に向けた活動の成果に注目
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)