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新興市場見通し:物色意欲根強いが資金流入減り小型株選好、IPOは1社

発行済 2018-10-20 14:50
更新済 2018-10-20 15:00
新興市場見通し:物色意欲根強いが資金流入減り小型株選好、IPOは1社
先週の新興市場では、日経平均が外部環境を睨みながら22000円台で一進一退の展開となるなか、マザーズ指数や日経ジャスダック平均ももみ合いとなった。
日米貿易協議やサウジアラビア情勢、米金利上昇、中国経済などの先行きに対する警戒感が強まり、新興市場でもマザーズ売買代金が低迷するなど個人投資家は手控えムードだった。
しかし下値では押し目買いが入り、前の週のように大きく値を崩すこともなかった。
なお、週間の騰落率は、日経平均が-0.7%であったのに対して、マザーズ指数は-0.7%、日経ジャスダック平均は+0.6%だった。


個別では、メルカリ (T:4385)が週間で4.3%安、ミクシィ (T:2121)が同2.1%安となる一方、MTG (T:7806)が同0.8%高、サンバイオ (T:4592)が同2.3%高となるなど、マザーズ時価総額上位は高安まちまちだった。
特に指数寄与度の大きい銘柄が軟調で、そーせいグループ (T:4565)は同10.1%安となった。
売買代金上位では無人決済システムの実証実験が始まったサインポスト (T:3996)や業績上方修正などを発表したRPAホールディングス (T:6572)が活況を見せ、バリューデザイン (T:3960)が週間のマザーズ上昇率トップだった。
一方、アクトコール (T:6064)やベイカレント・コンサルティング (T:6532)が下落率上位となった。
ジャスダック主力では日本マクドナルドホールディングス (T:2702)が同2.6%高、ワークマン (T:7564)が同5.7%高と堅調だったものの、ハーモニック・ドライブ・システムズ (T:6324)は同7.6%安と下げが目立った。
第2四半期の受注減がネガティブ視された。
売買代金上位ではシンバイオ製薬 (T:4582)などが買われ、アイ・ピー・エス (T:4335)が週間のジャスダック上昇率トップだった。
反面、シノケングループ (T:8909)などが売り優勢で、極東産機 (T:6233)が下落率トップとなった。
IPOでは3社が新規上場し、プリントネット (T:7805)とギフト (T:9279)は公開規模がやや大きかったものの堅調な初値形成だった。
ディ・アイ・システム (T:4421)は買い気配のまま初値が付かなかった。


今週の新興市場では、個別物色中心の相場展開となりそうだ。
マザーズ指数などは現行水準でのもみ合いが続くとみられる。
IPO銘柄の堅調スタートや材料株の活況ぶりから、個人投資家の物色意欲の根強さが窺える。
しかし、外部環境の不透明要因が多いうえ、10月23日の日本電産 (T:6594)を皮切りに主力企業の決算発表が始まるため、新興市場銘柄への資金流入は膨らみづらいだろう。
値動きの軽い小型株選好が強まることも想定される。


週明けは前期業績の修正や増配を発表したパルマ (T:3461)、日本郵政 (T:6178)グループとの関係強化を目的に日本郵政キャピタルと資本提携すると発表した農業総合研究所 (T:3541)などが注目されそうだ。
また、今週は10月25日にニューフレアテクノロジー (T:6256)、26日にAiming (T:3911)、東映アニメーション (T:4816)、沖縄セルラー電話 (T:9436)などが決算発表を予定している。
24日からはIT専門展「Japan IT Week 秋」が開催されるため、出展企業などにも注目したい。


IPO関連では、10月23日にリーガル不動産 (T:3497)がマザーズへ新規上場する。
不動産の開発、売買等を手掛け、業界の先行きに対する警戒感は根強い。
公開規模も軽量感のある水準ではないが、業績は比較的堅調で、バリュエーション面で割安感があるとみられている。



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