火曜日の原油価格は上昇している。これには、6日のOPEC総会でサウジアラビアを盟主とするOPECやロシアを中心とする非加盟産油国が原油を減産する方針である背景がある。
ニューヨーク・マーカンタイル取引所の1月限のWTI原油は、1.1%の53.53ドルとなった。ロンドンのインターコンチネンタル取引所では、2月限のブレント原油は0.74%高の62.26ドルである。
OPECと非加盟産油国は6日、オーストリアのウィーンに集まり、原油生産についての方針を決定する。OPECの事実上のリーダーであるサウジアラビアは、日量100万から140万バレルの減産を提案している。ウラジミールプーチン露大統領とムハンマド・ビン・サルマン皇太子は、先週のG20首脳会議で原油市場に安定をもたらすことに合意している。
「我々は、OPEC加盟国が減産に同意することを期待している。進行中の季節的な在庫量の増加に太刀打ちするためには、130万バレルの減産が必要となるだろう」とゴールドマン・サックス (NYSE:GS) はロイターに語った。
しかし、カタールのサード・シェリダ・アルカービエネルギー・産業相はカタールは1月にOPECを脱退すると発表し、このOPEC総会には不確実性がともなう。
アル・カービ氏は「このカタールの脱退の決定は、今後 天然ガスを年7700万トンから1億1000万トンに増やす計画に集中させたいという目的を反映している 」と、国立企業のカタール・ペトロリアム社のツイッターアカウントからツイートした。
OPECの加盟国の中ではカタールは最も小さい原油生産国であり、OPECのすべてのメンバーから2700万バレルのうち約60万バレルを生産している。しかし、この発表はOPECが減産を推進している重要な時期に行われたことが問題である。
また原油価格の上昇は、カナダのアルバータ州での強制的な減産命令の影響を受けた。アルバータ州のレイチェル・ノートルリー首相は、「1日当たり8000万ドル以上の国家経済を犠牲にしている歴史的に高い原油価格の差」への対策だと述べた。
彼女は、価格差は「数十年パイプラインを建設することができていない連邦政府の無力」から来ていると述べた。アルバータ州の原油生産量は、エネルギー産業と雇用の苦境を緩和するため、32万5000バレル/日減産し、来年末までに9万5000バレル/日にする計画である。