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欧米為替見通し:ドル・円は上げ渋りか、ブレグジット材料一服も米景気減速など嫌気

発行済 2019-01-16 17:25
更新済 2019-01-16 17:40
欧米為替見通し:ドル・円は上げ渋りか、ブレグジット材料一服も米景気減速など嫌気
16日の欧米外為市場では、ドル・円は上げ渋る展開を予想する。
英国の欧州連合(EU)離脱の先行き不透明感から、安全通貨としてのドル買いムードが継続。
ただ、米国の低調な経済指標から景気減速懸念や利上げ休止が想起され、ドル買いは進めづらいだろう。


日本時間16日未明に英国の下院で行われたEU離脱合意案の採決は、事前の予想通り大差で否決された。
ただ、市場のメーンシナリオだったことなどから、ポンド・円は137円台から140円台まで2%程度買い戻され、ドル・円を108円70銭付近まで押し上げた。
ポンドに関しては、メイ首相が21日までに提出する代替案の内容をめぐり、目先は憶測から乱高下しそうであり、ドル・円やクロス円に影響を与える場面もあろう。
本日のアジア市場でドル・円は、いったんイベント通過に伴う円買いの後退で、底堅く推移した。
この先もブレグジットの不透明感から引き続きドルは買われやすい見通し。


一方、前日に発表された米経済指標のうち、1月NY連銀製造業景気指数と12月生産者物価指数(PPI)はともに予想を下回り、景気減速懸念を強める内容となった。
足元の消費者物価指数(CPI)など重要指標の低調なデータは、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ休止の思惑を一層広げよう。
実際、15日に講演したFRB当局者のうち、最もタカ派として知られるカンザスシティー連銀のジョージ総裁でさえ「過剰な引き締めは景気下降を導く可能性もある」とし、「金利正常化を打ち止める良い時期」と指摘。
ドル買い手控えにつながり、ドル・円の109円台回復には距離がありそうだ。
(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・18:30 英・12月消費者物価指数(前年比予想:+2.1%、11月:+2.3%)
・18:30 英・12月生産者物価指数・産出(前年比予想:+2.9%、11月:+3.1%)
・22:30 米・12月輸入物価指数(前月比予想:-1.3%、11月:-1.6%)
・24:00 米・1月NAHB住宅市場指数(予想:56、12月:56)
・04:00 米地区連銀経済報告(ベージュブック)


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