24日の欧米外為市場では、ドル・円は上げ渋る展開を予想する。
今晩の欧州中央銀行(ECB)理事会で目先の金融政策に慎重な姿勢が示されれば、ドル選好地合いとなる見通し。
ただ、米国の予算編成をめぐる政府と議会の対立が嫌気され、ドルを下押しする可能性があろう。
本日はECB理事会とドラギ総裁による記者会見が焦点。
国際通貨基金(IMF)が21日に発表した世界経済見通しで、下方修正の要因についてドイツをはじめ欧州経済の回復の遅れを指摘している。
実際、ユーロ圏の経済指標は12月消費者物価指数や11月鉱工業生産、1月消費者信頼感指数など低調な内容が目立つ。
IMFが指摘するように、ユーロ圏域内経済をけん引するドイツの下振れが特に顕著だ。
ECBは今年夏以降の利上げを目指しているが、「年内は難しいのではないか」(市場筋)との見方も広がる。
ECBが今後の金融政策に慎重な姿勢ならユーロ売りを誘発し、ドルを押し上げるだろう。
ただ、ドル・円の堅調推移も想定しにくい。
前日の海外市場では予想を小幅に上回った米住宅価格指数が好感され、ドル・円は節目の110円にワンタッチ。
その後、ハセット米大統領経済諮問委員会(CEA)委員長が、政府機関の一部閉鎖が3月末まで続いた場合、1-3月期はゼロ成長になると発言し、109円前半へ急反落した。
政府と議会の対立の原因となっている予算案についてマコネル共和党上院院内総務は23日、大統領の妥協案と民主党案を24日に採決するとしたが、両者の見解にはなお隔たりがある。
米予算編成にメドが立たなければ株安に振れやすく、長期金利が低下し、ドル買いを後退させよう。
(吉池 威)【今日の欧米市場の予定】・17:30 独・1月製造業PMI速報値(予想:51.5、12月:51.5)・17:30 独・1月サービス業PMI速報値(予想:52.1、12月:51.8)・18:00 ユーロ圏・1月製造業PMI速報値(予想:51.4、12月:51.4)・18:00 ユーロ圏・1月サービス業PMI速報値(予想:51.5、12月:51.2)・21:45 欧州中央銀行(ECB)が政策金利発表(0.00%に据え置き予想)・22:30 ドラギECB総裁会見・22:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:21.8万件、前回:21.3万件)・23:45 米・1月製造業PMI速報値(予想:53.5、12月:53.8)・23:45 米・1月サービス業PMI速報値(予想:54.0、12月:54.4)・24:00 米・12月景気先行指数(前月比予想:-0.1%、11月:+0.2%)