先週の新興市場では、日経平均につれてマザーズ指数、日経ジャスダック平均とも上昇した。
米政府機関の閉鎖回避や米中通商協議の進展に対する期待から日経平均が一時21000円台を回復し、新興市場でも投資家心理が上向いた。
ただ、週末にかけては利益確定売りが優勢となり、上げ幅を縮めた。
また、時価総額上位銘柄の一角などが値を崩したため、マザーズ指数の上昇率は日経平均に比べ低かった。
なお、週間の騰落率は、日経平均が+2.8%であったのに対して、マザーズ指数は+1.1%、日経ジャスダック平均は+0.8%だった。
個別では、メルカリ (T:4385)が週間で15.7%高、ミクシィ (T:2121)が同6.0%高となり、マザーズ指数を押し上げた。
メルカリはスマートフォン決済サービス「メルペイ」の提供を開始している。
ただ、サンバイオ (T:4592)が同13.5%安となったほか、Kudan (T:4425)やジャパンインベストメントアドバイザー (T:7172)は利益確定売りがかさみ2割前後下落した。
MTG (T:7806)は同44.2%安で週間のマザーズ下落率トップ。
今第1四半期決算の進捗率の低さを嫌気した売りが広がり、上場来安値を大きく更新した。
一方、売買代金上位ではオンコリスバイオファーマ (T:4588)が大幅上昇し、好決算のオイシックス・ラ・大地 (T:3182)なども買われた。
また、ソフトマックス (T:3671)などが上昇率上位に顔を出した。
ジャスダック主力では、決算発表した日本マクドナルドHD (T:2702)が同3.7%高、ハーモニック・ドライブ・システムズ (T:6324)が同6.1%高となった。
マクドナルドは今期も2ケタの営業増益見通しで、ハーモニックは今期予想を据え置き安心感につながったようだ。
ワークマン (T:7564)は同2.1%安と軟調だった。
売買代金上位では今期黒字化見通しのラクオリア創薬 (T:4579)が人気化し、リリカラ (T:9827)などが週間のジャスダック上昇率上位に顔を出した。
反面、経営再建中の大塚家具 (T:8186)は増資や提携を発表したものの売られ、上場廃止となるシベール (T:2228)が下落率トップだった。
今週の新興市場では、18年4-12月期の決算発表が一巡したことで、個人投資家の物色が東証1部の主力株から中小型株にシフトすることが期待される。
しかし、決算発表を通過して大きく値を崩した銘柄が散見されるため、値動きや需給面で選別する動きが強まるだろう。
マザーズ主力株も方向感はまちまちで、マザーズ指数は強含みながらも引き続き900pt手前で推移しそうだ。
マザーズの好業績銘柄ではUUUM (T:3990)が高値圏で推移しているほか、ラクス (T:3923)が戻り歩調を強めている。
ジャスダックのUTグループ (T:2146)や鈴茂器工 (T:6405)では一部証券会社の目標株価引き上げが観測されているが、決算発表が一巡してレーティングや目標株価を見直す動きが相次ぎそうだ。
改めて決算内容に注目してみるのも良いだろう。
なお、先週末はALBERT (T:3906)などが決算発表している。
ビッグデータ分析で注目されるALBERTは業績の高い伸びが続く見通し。
IPO関連では、2月22日に識学 (T:7049)がマザーズへ新規上場する。
19年最初のIPOとなる。
業績成長率が高いうえ、公開規模が小さいため、個人投資家の初値期待は高まっているようだ。
なお、先週はカオナビ {{|0:}}(3月15日、マザーズ)など6社の新規上場が発表されており、3月のIPO件数は現時点で11社まで増えている。