20日の欧米外為市場では、ドル・円は上げ渋る展開を予想したい。
閣僚級の米中通商協議での摩擦解消への期待感から、円買いは縮小。
ただ、今晩公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨は慎重な内容が予想され、利上げ休止観測がドルを下押ししそうだ。
3連休明けとなった前日のNY市場では材料難のなか、ドル・円は米10年債利回りの低下で110円40銭台まで売られた後、NYダウの底堅い動きにやや持ち直した。
ただ、ウィリアムズNY連銀総裁が今後について利上げ不要の見解を示し、ドルの戻りを抑えた。
一方、本日アジア市場では日本株の堅調地合いを手がかりに円売りが先行し、ドル・円は節目の111円台が視野に入った。
明日から始まる閣僚級の米中通商協議で両国の摩擦は解消されるとの期待感は継続しており、引き続き円買いは後退。
株安・米長期金利の低下がなければ111円台を回復しそうだ。
欧米市場では、今晩発表のユーロ圏の消費者信頼感は引き続き低調な内容が予想され、ユーロ・ドルの下げがドル・円を111円台に押し上げる可能性もあろう。
ただ、ドル買いは長続きせず、111円台の定着は困難とみる。
米連邦準備制度理事会(FRB)が1月29-30日に開催したFOMCの声明では今後の引き締めに慎重姿勢が示されたが、今晩公表される議事要旨からも利上げに否定的な見解がみられ、ドル売りに振れる場面があろう。
(吉池 威)【今日の欧米市場の予定】・17:00 南ア・1月消費者物価指数(前年比予想:+4.3%、12月:+4.5%)・24:00 ユーロ圏・2月消費者信頼感指数速報値(予想:-7.7、1月:-7.9)・03:10 カプラン米ダラス連銀総裁質疑応答・04:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(1月29-30日開催分)