先週の新興市場では、マザーズ指数が強い動きを見せた。
18年4-12月期の決算発表が一巡し、値動きを求める個人投資家の物色が中小型の材料株、テーマ株に向かった。
米中通商協議の進展期待などを背景に日経平均が堅調に推移したことも買い安心感につながった。
マザーズ指数は週を通じて上昇し、900pt台を回復している。
なお、週間の騰落率は、日経平均が+2.5%であったのに対して、マザーズ指数は+6.3%、日経ジャスダック平均は+1.5%だった。
個別では、マザーズ時価総額トップのメルカリ (T:4385)が週間で10.7%高となった。
スマートフォン決済サービス「メルペイ」に期待した買いが続いた。
PKSHA Technology (T:3993)は同26.1%高、Kudan (T:4425)は同44.3%高と大きく上昇し、それぞれマザーズ時価総額3位、4位に浮上した。
売買代金上位では、遺伝子治療薬の製造販売承認を得たアンジェス (T:4563)が人気化し、他のバイオ株にも物色が広がった。
また、中国で疼痛緩和口腔用液の承認を得たソレイジア・ファーマ (T:4597)が週間のマザーズ上昇率トップだった。
一方、UUUM (T:3990)などは利益確定売り優勢で、オークファン (T:3674)が下落率トップとなった。
ジャスダック主力も日本マクドナルドHD (T:2702)が同2.3%高、ハーモニック・ドライブ・システムズ (T:6324)が同6.1%高と全般堅調だった。
売買代金上位ではシンバイオ製薬 (T:4582)などが活況を見せ、イナリサーチ (T:2176)が週間のジャスダック上昇率トップとなった。
ともにがん免疫療法「CAR-T」に関連した銘柄として物色が向かったようだ。
反面、ラクオリア創薬 (T:4579)は前の週に上昇した反動でやや調整し、セルシード (T:7776)は食道再生上皮シートの臨床試験結果がネガティブ視されて下落率トップとなった。
IPOでは、2月22日に識学 (T:7049)がマザーズへ新規上場した。
19年最初のIPOとして人気を集め、買い気配のまま初値が付かなかった。
今週の新興市場では、中小型株物色の好循環が続き、マザーズ指数は堅調に推移しそうだ。
東証1部市場が薄商いとなるなか、マザーズ市場の1日の売買代金は1000億円超の水準を維持しており、足元でマザーズ先物の逆ザヤが解消するなど中小型株の先高期待の高まりが窺われる。
3月に入り海外の不透明要因は増えるが、金融市場は米中合意への期待などからひとまず落ち着きを見せており、個人投資家のリスク選好姿勢も続きそうだ。
2月25日に携帯見本市「モバイル・ワールド・コングレス(MWC)」が開幕する。
国内外で関連企業の好決算も見られ、ネクストジェン (T:3842)など「5G(次世代通信規格)」関連銘柄に物色が向かっている。
サインポスト (T:3996)などの無人・セルフレジ関連銘柄にも注目したい。
なお、今週は2月28日に東和フードサービス (T:3329)、大和コンピューター (T:3816)、はてな (T:3930)などが決算発表を予定している。
IPO関連では、2月26日のリックソフト (T:4429)など4社が新規上場する。
ソフトウェア販売のリックソフトやクラウド型POSレジのスマレジ (T:4431)は初値期待が高まっているようで、識学の人気を引き継いで好スタートとなることが見込まれる。
なお、先週はgooddaysHD {{|0:}}(3月25日、マザーズ)など4社の新規上場が発表されており、3月のIPO件数は現時点で15社となっている。