先週の新興市場では、日経平均が21500円近辺でこう着感を強めるなか、バイオ株を中心としたマザーズ銘柄物色が続いた。
マザーズ指数は2月27日にかけて8日続伸。
米朝首脳会談があった28日は利益確定売り優勢で反落したが、週末は日経平均の上昇につれ反発して取引を終えた。
ただ、マザーズ指数が950ptに迫り、主力株の一角では戻り待ちの売りも出た。
なお、週間の騰落率は、日経平均が+0.8%であったのに対して、マザーズ指数は+1.3%、日経ジャスダック平均は+0.8%だった。
個別では、マザーズ時価総額上位のメルカリ (T:4385)が週間で0.2%高となり、ミクシィ (T:2121)も小幅高となった。
昨年12月上場のKudan (T:4425)は同9.2%高でマザーズ時価総額3位に浮上。
ラクスル (T:4384)やUUUM (T:3990)も堅調ぶりが目立った。
売買代金上位では引き続きアンジェス (T:4563)やオンコリスバイオファーマ (T:4588)といったバイオ株が活況。
また、業績上方修正や増配を発表したプロパティデータバンク (T:4389)などがマザーズ上昇率上位に顔を出した。
一方、PKSHA Technology (T:3993)やサンバイオ (T:4592)は利益確定売り優勢で、サイバーダイン (T:7779)は手仕舞い売りがかさみ下落率トップとなった。
ジャスダック主力は高安まちまちで、ハーモニック・ドライブ・システムズ (T:6324)が同9.4%安となる一方、ワークマン (T:7564)は同18.7%高と大きく上昇して上場来高値を更新した。
売買代金上位ではラクオリア創薬 (T:4579)などが買われ、M&A(合併・買収)が材料視されたスペースシャワーネットワーク (T:4838)などが週間のジャスダック上昇率上位に顔を出した。
反面、前の週に急伸したシンバイオ製薬 (T:4582)は一転して利益確定売りに押され、下落率トップとなった。
IPOでは、前の週に上場した識学 (T:7049)が公開価格の約2.5倍となる初値を付けた。
また先週は4社が新規上場し、リックソフト (T:4429)とスマレジ (T:4431)は公開価格の2倍を超える初値となった。
今週の新興市場では、マザーズ指数が一段と戻りを試す展開となることが期待される。
日経平均が円安進行などを支援材料にもみ合いを上放れて22000円を目指す動きを見せており、新興市場でも投資家心理が一段と上向きそうだ。
前述のとおりメルカリなど主力株の一角では戻り待ちの売りも出てきているが、引き続き個人投資家を中心に売買が活発なことなどから十分に吸収可能と考えられる。
マザーズでアンジェスなどのバイオ株とともに活況を見せているのがIPO銘柄だ。
昨年12月上場のKudanやリンク (T:4428)に加え、直近上場した識学やリックソフト、スマレジが初値形成後も上値を追う動きを見せた。
やや初値が伸び悩んだフロンティアインターナショナル (T:7050)だが、セカンダリーでは大幅高となっている。
なお、今週は3月6日にアスカネット (T:2438)、8日にバルニバービ (T:3418)、ソフトウェア・サービス (T:3733)、HEROZ (T:4382)、日本スキー場開発 (T:6040)などが決算発表を予定している。
IPO関連では、3月5日に日本国土開発 (T:1887)が東証1部へ新規上場する。
IPOで人気の業態とは言えないが、公開規模が東証1部上場案件としてはさほど大きくなく、足元のIPO人気を測るうえでその初値が注目されているようだ。
なお、先週はエードット {{|0:}}(3月29日、マザーズ)など4社の新規上場が発表されている。