8日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・日経平均は小反落、抵抗線到達でいったん利益確定・ドル・円は弱含み、日本株の失速で円売り後退・値下がり寄与トップは、東エレク (T:8035)、同2位はファナック (T:6954)■日経平均は小反落、抵抗線到達でいったん利益確定日経平均は小反落。
18.16円安の21789.34円(出来高概算5億4000万株)で取引を終えた。
3月の米雇用統計の結果を材料視した米株高の流れを引き継ぐ格好から、日経平均は21900円を回復して始まった。
ただし、寄り付きで付けた21900.55円を高値にその後はこう着感が強まり、次第に上げ幅を縮めると、先週末の終値を挟んでの推移が続いた。
日経平均に対してTOPIXの下落率が大きく、インデックスに絡んだ売買が中心ではあるが、日経平均の200日線接近で利益確定の流れが強まった格好のようである。
東証1部の騰落銘柄は値下がり数が1300を超えており、全体の6割を占めている。
セクターでは、鉱業、石油石炭、不動産、電力ガス、食料品、金属製品、繊維がしっかり。
一方で、保険、銀行、非鉄金属、海運、機械、輸送用機器が冴えない。
指数インパクトの大きいところでは、ファナック (T:6954)、東エレク (T:8035)、信越化 (T:4063)が重石になる半面、ファーストリテ (T:9983)が下支えする格好。
日経平均はもち合いレンジ(21000-21800円)処からの上放れが意識されているが、テクニカル面では21910円処に位置している200日線に上値を抑えられた格好であろう。
もっとも、200日線を一気に上放れてトレンドが強まるとみる向きは限られていたと考えられるため、抵抗線到達でいったん利益確定といったところである。
また、セクターでは週末のNY原油先物相場の上昇を背景に資源株が上昇しているが、その他では先週強い値動きをみせていた景気敏感セクターは総じて利食いに押されているため、直近の上昇に対する一服とみられ、引き続き需給状況は改善傾向にあるだろう。
米中通商協議の行方については、月内合意は厳しいとみられ、引き続き進捗状況を見守るところであろう。
決算についてはファーストリテのほか、安川電機 (T:6506)の決算内容のほか、これを受けた市場反応を見極めたいところである。
さらに欧州議会は、英国議会が4月12日までに離脱協定案を賛成多数で承認することができれば、EU側としては離脱期日を5月22日まで延期すべきとの考えを述べており、まずは12日の離脱協定案の行方を見極めたいところであろう。
そのため、大きなトレンドは出難いものの、底堅い相場展開が続こう。
■ドル・円は弱含み、日本株の失速で円売り後退8日午前の東京市場でドル・円は弱含み。
日本株のマイナス圏転落で株高を好感した円売りは後退し、ドルは111円前半に値を下げた。
ドル・円は、前週末の米株高を受けた日本株高で円売りが先行し、ドルは朝方の取引111円後半で推移していた。
その後、日経平均株価は下げに転じ円売りの後退でドルは節目の111円半ばを割り込んだ。
ランチタイムの日経平均先物は不安定な値動きで、円売りは見込みづらい。
また、時間外取引の米株式先物は軟調地合い、米10年債利回りは低水準で横ばいとなりドル買いは引き続き入りづらいもよう。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は111円40銭から111円77銭、ユーロ・円は125円14銭から125円34銭、ユーロ・ドルは1.1214ドルから1.1222ドルで推移した。
■後場のチェック銘柄・シリコンスタジオ (T:3907)、ASJ (T:2351)など、4銘柄がストップ高※一時ストップ高・安(気配値)を含みます・値下がり寄与トップは、東エレク (T:8035)、同2位はファナック (T:6954)■経済指標・要人発言【要人発言】・黒田日銀総裁「物価2%目標の実現を目指し、現行の緩和策を継続」「政策金利は当分の間、現在の極めて低い長期金利の水準を維持」「景気は輸出と生産に減速がみられるが、緩やかに拡大」【経済指標】・08:50 2月経常収支・+2兆6768億円(予想:+2兆6270億円、1月:+6004億円)・15:00 独・2月貿易収支(1月:+146億ユーロ)
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