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NYの視点:FRBの過剰な利下げ観測が後退、ドル安も行き過ぎか

発行済 2019-06-26 07:37
更新済 2019-06-26 07:40
© Reuters.  NYの視点:FRBの過剰な利下げ観測が後退、ドル安も行き過ぎか

6月の連邦公開市場委員会(FOMC)で25ベーシスポイントの利下げが必要だと主張し、唯一反対票を投じたブラード・セントルイス連銀総裁は25日6月FOMCで利下げを見送ったことにより、7月の利下げ確率が一段と上昇したと見ている。

ただ、現状で、50ベーシスポイントの利下げは「行き過ぎ」との考えを示した。

米金利先物市場では7月の利下げを100%織り込んでいたほか、50べーシスポイントの利下げを35%近く織り込んでいた。

しかし、年末までに、50ベーシスポイントの利下げを予想していることも明らかにした。

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は25日の講演で、6月FOMC声明や会見内容と同様に、多くのメンバーが利下げの論拠が強まっていると見ていることを繰り返し利下げの可能性を示唆。

ただ、米国の見通しは依然好ましく、インフレも2%に戻るとの見方を示した。

同時に、インフレ期待の低迷が思ったように改善しないことにも言及。

不透明感を受けて、緩和が必要かどうかをはかっていくとし、「短期的に過剰に行動しないことが重要」と慎重な姿勢を見せた。

トランプ大統領が、FOMCが利上げやバランスシートの解消をしていなければ、経済の成長が4、5%程度に拡大、株式相場も数千ドルさらに上昇していただろうと、FOMCの政策を非難する中、「金融政策が政治的な興味に屈した場合、損傷が生じる」と反論。

米国経済に最善になることを今後も行っていく断固とした姿勢を見せた。

今週29日には、米中首脳会談が予定されている。

現在のところ期待は薄いが、米国政府による全中国製品への25%関税発動が回避できれば、成長への悲観的見方も回復する可能性も残る。

また、7月連邦公開市場委員会(FOMC)までには米雇用統計や製造業指標用など重要指標の発表もある。

見通しが急速に改善する可能性も否めない。

ドル安の行き過ぎ感もある。

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