昨日の米国株式市場は主要3指数揃って上昇し、S&P500は連日の高値更新となった。トランプ政権が対EUで報復関税を検討していることが相場の重しとなっている。
米10年年債利回りは1.952%と大きく低下し、ドル/円は107.58円と大きく円高が進んでいる。これを受け日経平均株価は午前10時56分時点で2万1607円と下落している。保護貿易に走るトランプ政権への不信感によって米中首脳会談の効果は早くも消えかけている。今後の株高継続に不安感を持つ投資家は債券買いに走り、それは米国債利回りの大きな低下につながっているようだ。市場を支えるのは各国中央銀行の金融緩和姿勢のみという厳しい情勢である。
上海総合指数も1%安となっており、本日のアジア市場は下落傾向となっている。
後場の日経平均は引き続き上値が重いだろう。2万1570円あたりで踏ん張れないと、2万1500円まで下げる可能性もある。どちらにしても米国債利回りが上昇に転じなければ円高も是正されず日経平均には厳しいだろう。株式会社ファーストリテイリング (T:9983)が6月既存店売上の好調さで上昇しているのが支えとなっているが、株式会社安川電機 (T:6506)など電気機器セクターが踏ん張れるかがポイントになるだろう。