7月31日のFOMCにおいて金利政策の発表まで、市場は全体的に様子見ムードとなっている。
しかし、インテル(NASDAQ:INTC)、ウォルトディズニー(NYSE:DIS)、アップル(NASDAQ:AAPL)にその傾向は当てはまらず、29日の取引で株価は上昇した。インテルは、同社のモデム事業のアップルへの売却によりネットワークやその他処理用の半導体に注力できると評価され、1.8%高となった。
アップル株は、30日の第3四半期決算を控え0.9%高となった。
ディズニー株は1.2%高となり、史上最高値の147.15ドルを記録した。週末の「ライオンキング」リメイクの興行収入が1億8500万ドルとなる華々しいスタートを切った事も一部貢献している。
S&P 500は0.15%安、ナスダック総合指数は0.44%安となり、採用銘柄の中でも小型株が振るわない結果となった。一方、ダウ平均株価は0.11%高となっている。
ダウ構成銘柄である30社の内18社が上昇した。同指数で最低のパフォーマンスとなったのはファイザー(NYSE:PFE)で、第2四半期決算が市場の期待に応えられず3.8%安となった。同社はまた特許切れ医薬品事業を手掛けるアップジョン部門をマイラン(NASDAQ:MYL)に統合させる事を発表している。Visa(NYSE:V)株価は過去52週間最高の184.07ドルを記録した後、0.48%安となっている。
ナスダック総合指数は、アマゾン(NASDAQ:AMZN)、アルファベット(NASDAQ:GOOGL)、フェイスブック(NASDAQ:FB)、スターバックス(NASDAQ:SBUX)、コストコ・ホールセール(NASDAQ:COST)、ダラー・ツリー(NASDAQ:DLTR)等の下げに引っ張られる形となった。スターバックス、コストコ、アルファベットは先週史上最高値を更新したものの、利食い売りにより下落したとみられる。
低金利により公益事業・不動産セクターは支えられた。また、ヘルスケアやAT&T (NYSE:T)、ベライゾン(NYSE:VZ)等を含む通信業も好調であった。Tモバイル (NASDAQ:TMUS)は、先週スプリント(NYSE:S)との260億ドル規模の統合が連邦監督機関に認められ、一時上げたものの29日の取引では下がる形となった。
10年国債利回りは、先週26日の2.081%から2.06%へ減少した。
エネルギー株は下落し、特に石油銘柄が原油価格上昇にも関わらず不調であった。 WTI原油先物は67セント高の56.87ドルとなり、ブレント原油先物は25セント高の63.71ドルとなった。
ハリバートン(NYSE:HAL)は3.7%安、シュルンベルジェ(NYSE:SLB)は2%安、石油・ガスのアパッチ(NYSE:APA)は2.5%安となった。
ボーイング(NYSE:BA)は、S&Pが737MAXの運航再開措置の長期化により同社格付けを下げる見込みを発表した後、1.39%安となった。航空会社各社は、運転再開長期化を昨年冬の事故発生時から警戒しており、ボーイング社の収益に痛手を与えている。
ボーイング社は446.01ドルの最高値から23.7%下落している。
アップルのみならず、市場を動かす影響力のある多くの企業が30日に決算報告を予定している。石油大手のBP(NYSE:BP)、コノコフィリップス(NYSE:COP)、 ダウ平均株価の構成銘柄である製薬大手のメルク(NYSE:MRK)とP&G(NYSE:PG)等である。
S&P 500値上がり銘柄/値下がりランキング
ジェネリック医薬品メーカーのマイラン(NASDAQ:MYL)、チポトレ・メキシカン・グリル(NYSE:CMG)、シグナ(NYSE:CI)が29日の取引でS&P500の中でトップパフォーマーであった。
ネクター・セラピューティクス(NASDAQ:NKTR)、ナショナル・オイルウェル・バーコ(NYSE:NOV)、ファイザー(NYSE:PFE)は29日の取引でS&P500の中でワーストパフォーマーであった。