先週の新興市場では、日経平均とともにマザーズ指数、日経ジャスダック平均も上昇した。
米中が通商協議の再開で合意し、摩擦激化への懸念が和らいだことで日経平均は節目の21000円台を回復。
新興市場でも投資家心理が持ち直した。
ただ、週末にかけて値を崩す中小型株が散見され、引き続き不安定さも窺えた。
なお、週間の騰落率は、日経平均が+2.4%であったのに対して、マザーズ指数は+1.7%、日経ジャスダック平均は+0.6%だった。
マザーズ指数はなお850pt台にとどまり、マザーズ売買代金も500億円台と低迷する日が多かった。
個別では、メルカリ (T:4385)が週間で5.2%高、そーせいグループ (T:4565)が同2.3%高とマザーズ時価総額上位は全般堅調。
しかし、直近IPO銘柄のSansan (T:4443)は週末にかけて売られ、同4.7%安となった。
個人情報の管理厳格化を警戒する向きがあったようだ。
売買代金上位ではブシロード (T:7803)などが堅調で、サマンサタバサジャパンリミテッド (T:7829)はコナカ (T:7494)による持分法適用会社化が材料視されて急伸。
また、マイナンバーカードを活用した取り組みへの支援サービスを発表したITbookHD (T:1447)が週間のマザーズ上昇率トップだった。
一方、アンジェス (T:4563)などが軟調で、一家ダイニングプロジェクト (T:9266)は利益確定売りがかさみ下落率トップとなった。
ジャスダック主力ではワークマン (T:7564)が同15.3%高と大きく上昇。
8月既存店売上高が前年同月比54.7%増と好調だった。
ハーモニック・ドライブ・システムズ (T:6324)は米中懸念の後退に伴い同8.4%高となった。
売買代金上位ではアテクト (T:4241)などが買われ、ニックス (T:4243)が週間のジャスダック上昇率トップだった。
反面、大和コンピューター (T:3816)は今期業績予想の物足りなさから売られ、新都HD (T:2776)などとともに下落率上位に顔を出した。
戻り歩調を強めていたアエリア (T:3758)も、今週は利益確定売りに押された。
今週の新興市場では、マザーズ指数などは戻りを試す展開となることが期待される。
米中協議の進展や各国の金融緩和、財政出動への期待を支えに日経平均が21000円台をキープすれば、出遅れ感のあるマザーズ銘柄にも物色が向かいそうだ。
しかし、海外情勢に対する個人投資家の警戒感は根強く、中小型株ファンドからの資金流出も伝わるなど新興市場を取り巻く環境はなお厳しい。
本格的なリバウンドに転じるとみるのは時期尚早だろう。
今週は、9月10日にHEROZ (T:4382)、11日にGA technologies (T:3491)、12日にはてな (T:3930)、ステムリム (T:4599)、13日にツクルバ (T:2978)、スマレジ (T:4431)、トビラシステムズ (T:4441)、サンバイオ (T:4592)、マネジメントソリューションズ (T:7033)、ブシロードなどが決算発表を予定している。
ステムリム、ツクルバ、ブシロードは上場後初の決算発表となる。
スマレジは決算発表に先立ち、先週末に業績予想の上方修正を発表。
週明けは見直し買いが向かいそうだ。
IPO関連では、9月12日にピー・ビーシステムズ {{|0:}}が福証Q-Boardへ新規上場する。
企業の基幹システムをクラウド化する事業が主力。
地方市場案件ながら、約1カ月のIPO休止期間明けということもあり、投資家の参加意欲は比較的高いようだ。
なお、先週はHENNGE (T:4475)(10月8日、マザーズ)など3社の新規上場が発表されている。