11日の日経平均は小幅に続落。
18.33円安の23391.86円(出来高概算11億5000万株)で取引を終えた。
為替相場の落ち着きや15日に期限を迎える米国による対中関税措置に対して、期限の延長といった観測報道などもあり、朝方はプラス圏での推移をみせている。
しかし、関税発動期限の延長論に対する否定報道もあり、その後は下げに転じると、前場半ばには23333.63円まで下げ幅を広げる局面もみられた。
もっとも、重要イベント待ちの中で積極的なポジションを取りに行く流れにはならず、リバランス中心ながらも底堅さが意識されており、後場の値幅については40円程度と狭いレンジでの取引だった。
東証1部の騰落銘柄は値下がり数が1300を超えており、全体の6割を占めている。
セクターでは、海運、その他製品、銀行、倉庫運輸、電気機器、陸運、証券、ガラス土石が冴えない。
半面、水産農林、電力ガス、鉄鋼、空運、繊維、非鉄金属がしっかり。
指数インパクトの大きいところでは、エーザイ (T:4523)、花王 (T:4452)、ファナック (T:6954)、アステラス製薬 (T:4503)が軟調。
一方で、ファーストリテ (T:9983)、東エレク (T:8035)、日産化学 (T:4021)、アドバンテスト (T:6857)が下支え。
日経平均は狭いレンジ取引が続いており、テクニカル面では5日線や25日線レベルでの攻防をみせている。
5日、25日線との短期デッドクロス示現をやや不安視する向きもあるが、基本的には重要イベントを控えているため、想定内のこう着といったところであろう。
今晩の米国市場ではFOMCの結果が注目されるが、利下げ打ち止めは想定内であり、結果を受けた米国の動向が注目されるところ。
米国株がネガティブな動きをみせてくるようだと、日本株へも波及が警戒されるが、これまでの米株安の流れを受けてギャップスタート後は、押し目拾いのタイミングとなっている。
重要イベントを控えて上値追いは慎重であるが、調整局面においての押し目拾いのスタンスを確認したいところでもある。
また、指数はこう着ながらも、IPOは好スタートとなっている。
初値を付けた後も一過性ではなく、活発な売買が続いていることから、個人投資家の需給状況は良好であろう。
他の銘柄への広がりはイベント通過となろうが、IPO銘柄での値幅取りは引き続き活発になりそうだ。