(ブルームバーグ): 東京外国為替市場ではドル・円相場が1週間ぶり高値へ上昇。米国経済の堅調さや日本株の反発を手掛かりにドル買い・円売りが優勢となった。ただ、新型コロナウイルスの世界経済への影響に対する警戒感は根強く、1ドル=110円台を回復した後は伸び悩んでいる。
市場関係者の見方
あおぞら銀行の諸我晃総合資金部部長
- きのう発表されたニューヨーク製造業景況指数が良かったこともあり、全般的にドル買いの流れになっていたところ、きょうは株もしっかりでドル・円が110円をトライする環境にはなっていた
- ただ、新型肺炎の実体経済への影響がまだみえない状況で、ことしの高値水準の110円30銭や110円半ばを抜けるのはまだ難しいだろう
- ドル・円は110円ちょうどにNYカットのオプションがあり、その防戦売りを消化できたというところで上値を試す動きになったのだろう
- ただ、センチメント的には新型肺炎のグローバル経済への悪影響などへの不安感があるので、手放しでドルを買っていけば安心というわけではない。今回も110円を超えるとドル・円上昇のスピードは鈍るだろう
- 19日午前の東京株式相場は反発。前日の米国株がアップルの業績未達見通しを受けても大きく下げなかったため過度な警戒感が後退、日経平均株価は前日比165高で午前を終了
- 18日発表された2月のニューヨーク連銀製造業景況指数は12.9と昨年5月以来の高水準
- 18日発表の2月の独ZEW景気期待指数は8.7と前月(26.7)から大幅悪化
- 他国との景況格差を背景に18日のブルームバーグ・ドル指数は終値ベースで昨年10月以来の高水準を記録
- バンク・オブ・アメリカ(BofA)が2月6日から13日に実施した機関投資家調査によると、中国見通しの悪化により、世界経済成長への期待は昨年10月以来初めて低下した
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