10日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■株式見通し:パニック商状の中で内需系シフトも■前場の注目材料:リコー、20/3期純利益520億円に修正 620億円の黒字予想から■PSS、新型コロナ検出に対応、遺伝子検査装置、日本で認可取得へ■パニック商状の中で内需系シフトも10日の日本株市場は、引き続き波乱の相場展開になりそうだ。
9日の米国市場では、NYダウが2013ドル安と過去最大の下落幅を記録した。
米国を含めて世界中で新型コロナウイルスの感染拡大が報告され経済活動が停滞する中、ロシアとの協調減産の交渉が決裂後、サウジアラビアがシェア重視で増産方針に転換したため原油相場が急落したことから、金融市場の新たなリスクになるとの不安が広がった。
この流れを受けて、シカゴ日経225先物清算値は大阪比535円安の18875円と19000円を割り込んでいる。
円相場は1ドル102円20銭台で推移している。
米国市場の下落については前日までの動きから織り込みをみせていたが、すべての株式売買を一時停止する措置(サーキットブレーカー)が発動した下げになったことは、センチメントを大きく悪化させることになりそうだ。
テクニカル面では2018年12月26日安値18948円とのダブルボトム形成が期待されるところではあるが、既に長期トレンドではサポートとして機能してきた60カ月線を割り込んできている。
あっさり下回ってくるようだと、下値の目処が付きづらく、より不安感を強めてくる可能性がある。
新型コロナウイルスの感染拡大については封じ込めがみられてくれば株式市場の浮上要因になるが、原油相場の急落に伴う不透明感が戻りを鈍くさせる懸念も高まってきそうである。
押し目買い意欲も後退させる状況の中、先物主導のインデックス売買に大きく振らされやすい需給状況となる。
特に週末には先物オプション特別清算指数算出(SQ)を控えている。
ロール中心の売買ではあるが、荒い値動きの中でヘッジに伴う動きも強まりやすいところであろう。
物色の流れとしては円高メリットを意識した内需志向に向かいやすい。
米国についても生活必需品などのセクターについては下げが限定的である。
リスク回避姿勢の中ではあるが、資金シフトを想定する流れから、内需系に向かいやすいほか、外部環境に振らされ難いセクターに資金が向かいやすい。
新型コロナウイルスの影響からトイレットペーパーなどが品薄であるが、長期戦ともなれば通常の日用品なども買い置きの動きが広がる可能性もあるだろう。
■リコー、20/3期純利益520億円に修正 620億円の黒字予想からリコーリースの普通株式の一部をみずほリースへ譲渡することを決議。
2020年3月期連結決算において投資に係る一時差異の解消時期が確定することによる繰延税金負債の計上等が見込まれ、その影響額の前回発表業績予想に対する重要性を鑑み、2020年3月期の連結業績予想を修正。
■前場の注目材料・米長期金利は低下・新型肺炎で追加金融緩和期待・日銀のETF購入・株安局面での自社株買い・来期の業績回復期待・日産自 (T:7201)1500ccVCRエンジン国内投入、来年めど「エクストレイル」に・PSS (T:7707)新型コロナ検出に対応、遺伝子検査装置、日本で認可取得へ・日立 (T:6501)NEDOと南アで海水淡水化実証・ニプロ (T:8086)米で透析液製造、ペンシルベニアに子会社設立・ダイセル (T:4202)酢酸セルロース×石灰石、プラ代替の新素材、TBMと開発・大阪ガス (T:9532)洋上風力で協力、豪マッコーリー子会社と☆前場のイベントスケジュール・10:30 中・2月消費者物価指数(前年比予想:+5.2%、1月:+5.4%)・10:30 中・2月生産者物価指数(前年比予想:-0.3%、1月:+0.1%)
<SF>