先週の新興市場では、マザーズ指数、日経ジャスダック平均とも週末にかけて値を崩す場面があった。
週後半に米連邦公開市場委員会(FOMC)や先物・オプション6月物の特別清算指数(SQ)算出といったイベントがあり、日経平均や米NYダウが急落。
新興市場でもリスク回避目的の売りが出て、マザーズ指数は25日移動平均線の位置する900pt台半ばまで調整する場面があった。
ただ、バイオ関連株などを中心に個人投資家の物色意欲は根強く、マザーズ指数は週間で小幅ながらプラスを確保した。
なお、週間の騰落率は、日経平均が-2.4%であったのに対して、マザーズ指数は+0.3%、日経ジャスダック平均は-1.1%だった。
個別では、アンジェス (T:4563)が週間で8.4%高、弁護士ドットコム (T:6027)が同3.3%高となる一方、メルカリ (T:4385)が同3.6%安、フリー (T:4478)が同0.6%安となり、マザーズ時価総額上位は高安まちまち。
バイオ関連株やIT・インターネット関連株の循環物色が見られた。
売買代金上位ではプレシジョン・システム・サイエンス (T:7707)、オンコセラピー・サイエンス (T:4564)といったバイオ・ヘルスケア関連株の一角が大幅高。
AI inside (T:4488)も一部証券会社の高評価を受けて買われた。
また、ナノキャリア (T:4571)は新型コロナウイルスのワクチン開発への貢献が期待され、週間のマザーズ上昇率トップとなった。
反面、FRONTEO (T:2158)は利益確定売り優勢で、GMO TECH (T:6026)などが下落率上位に顔を出した。
ジャスダック主力では日本マクドナルドHD (T:2702)が同4.4%高となり、5月度の売上が好調だったセリア (T:2782)は同8.8%高となった。
一方でハーモニック・ドライブ・システムズ (T:6324)は同8.9%安と軟調。
また、コックス (T:9876)が賑わいを見せ、週間のジャスダック上昇率トップとなった。
反面、テラ (T:2191)は売りに押され、ズーム (T:6694)などが下落率上位に顔を出した。
今週の新興市場では、マザーズ指数はしっかりか。
株式相場全体として急ピッチの調整を見せた後だけに、個人投資家にもやや警戒ムードが出てくるだろう。
しかし、米国で金融緩和の長期化が確認されたこと、コロナ再拡大の兆しから「ウィズコロナ」「アフターコロナ」が改めて意識されることなどを踏まえると、当面はバイオ関連やIT・ネット関連の新興株が投資資金を集めやすいと考えられる。
任天堂 (T:7974)のように先週末にかけて年初来高値を更新してきた銘柄は、「金融緩和×ニューノーマル(新常態)」下の中核銘柄として期待できそうだ。
マザーズならネットショップ作成支援のBASE (T:4477)やオンライン教材のすららネット (T:3998)などとなる。
なお、今週は6月15日にシステム ディ (T:3804)、globalbridge HD (T:6557)、スリー・ディー・マトリックス (T:7777)、16日にフェローテックHD (T:6890)、19日にブシロード (T:7803)などが決算発表を予定している。
IPO関連では、ロコガイド {{|0:}}(6月24日、マザーズ)とコパ・コーポレーション (T:7689)(6月24日、マザーズ)が先週までにブックビルディング(BB)を終えている。
需要は堅調で、コロナショックとともに一時落ち込んだIPO人気は持ち直しつつあるようだ。
今週も6月IPOのBBが続く。
また、先週はSpeee (T:4499)(7月10日、ジャスダック)など4社の新規上場が発表されている。