30日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■株式見通し:富士通やアンリツなどの決算評価がハイテク株への支援材料に■富士通、1Q営業利益558.0%増 222億円、コンセンサス大きく上回る■前場の注目材料:パナソニック、中国企業と太陽電池の協業解消■富士通やアンリツなどの決算評価がハイテク株への支援材料に31日の日本株市場は、売り優勢の相場展開になりそうだ。
30日の米国市場はNYダウが225ドル安となる一方で、ナスダックは上昇した。
商務省が発表した4−6月期の国内総生産(GDP)速報値が過去最大の落ち込みとなったほか、週次失業保険申請数も2週連続で増加したため回復ペースの鈍化懸念が高まった。
ただし、決算評価の動きもみられており、ハイテク株が引けにかけて買われる場面もみられている。
シカゴ日経225先物清算値は大阪比90円安の22230円。
円相場は1ドル104円70銭台で推移している。
シカゴ先物先物にサヤ寄せする格好からやや売り優勢の展開になりそうである。
シカゴ先物は一時22000円を割り込む場面がみられたが、引けにかけては下げ幅を縮めている。
日経225先物においてもナイトセッションで割り込んだが、その後は下げ幅を縮めていることもあり、目先的にはいったん底打ちも意識されやすいところ。
もち合いレンジの想定される下限レベルまで下げたこともあり、押し目拾いの流れに向かうかを見極めたいところであろう。
もっとも、目先底が意識されたとしても、レンジ上限を意識したトレンドは期待しづらいところ。
決算発表が本格化している中では積極的な売買は手控えられやすく、決算を手掛かりとした物色が中心になりやすい。
昨日はエムスリーが (T:2413)が決算評価から終日堅調な値動きをみせていた。
昨日の大引け後に発表した決算では、富士通 (T:6702)、アンリツ (T:6754)辺りに決算評価の動きがみられるようだと、ハイテク株の支援材料となり、日経平均を下支え役になりやすいところ。
また、ハイテクの戻りの鈍さが意識されてくるようだと、グロース株への利益確定が意識されてきやすい。
しかし、新型コロナウイルス感染症拡大による世界経済への影響が警戒されやすく、バリュー株へのシフトも考えづらくなっている。
こう着感が強まる中、個人主体による決算を手掛かりとした中小型株などの日替わり的な物色に向かわせそうである。
なお、テクニカル面では日経平均は25日線や5日線が重石となるほか、一目均衡表では転換線、基準線に抑えられ、遅行スパンについては下方シグナルを発生しつつある。
神経質な相場展開になりそうだ。
■富士通、1Q営業利益558.0%増 222億円、コンセンサス大きく上回る富士通 (T:6702)が発表した第1四半期決算は、売上高が前年同期比4.3%減の8027.93億円、営業利益は同558.0%増の222.73億円だった。
100億円程度とみられるコンセンサスを大きく上回った。
あわせて2021年3月期の連結純利益が前期比横ばいの1600億円になる見通しだと発表した。
企業によるIT投資の抑制が響くが、主力のシステム事業で採算を改善。
また、年間配当は200円と前期から20円増やす計画。
■前場の注目材料・ナスダック総合指数は上昇(10587.81、+44.87)・SOX指数は上昇(2147.55、+41.25)・米長期金利は低下・日銀のETF購入・米景気刺激策への期待・コロナ向けワクチン開発の進展・パナソニック (T:6752)中国企業と太陽電池の協業解消・トヨタ (T:7203)6年ぶり首位、上期販売台数VW上回る・豊田合成 (T:7282)米・無線給電VBと連携、最大10m先対応の技術開発・ホンダ (T:7267)AIで知財管理効率化、判断業務に人員集中・スズキ (T:7269)印子会社の4—6月期、都市封鎖響き初の赤字・サイバーダイン (T:7779)災害復旧にHAL提供、九州豪雨被災地へ「腰タイプ」30台・不二越 (T:6474)1台で浸漬・蒸気洗浄、真空脱脂用装置・NTTドコモ (T:9437)6G構想加速、空・海・宇宙で「ギガ」通信・富士通 (T:6702)フロンテックにTOB、一体経営を推進・帝人 (T:3401)独子会社が英研究施設と関係強化・昭和電工 (T:4004)ベトナムのアルミ缶工場完成・テイカ (T:4027)医療機器向け圧電単結晶材増産、大阪工場に生産棟☆前場のイベントスケジュール・10:00 中・7月製造業PMI(予想:50.8、6月:50.9)・10:00 中・7月非製造業PMI(予想:54.5、6月:54.4)
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