日経平均<.N225> 日経平均先物6月限<0#2JNI:>
終値 9459.89 (-298.51) 終値 9440 (-320)
寄り付き 9632.14 寄り付き 9620
安値/高値 9432.09─9642.60 安値/高値 9420─9640
出来高(万株) 235038 出来高(単位) 107580
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[東京 25日 ロイター] 東京株式市場で日経平均は大幅続落。3営業日連続で年
初来安値を更新し、約6カ月ぶりの9500円割れとなった。海外株安や円高に加え、韓
国の哨戒艦沈没をきっかけとする韓国─北朝鮮間情勢の一層の緊迫化に対する警戒感が強
まり、ヘッジファンドなどが売りを加速させたとみられている。午後には下げ幅が拡大。
9500円割れで日経リンク債のノックイン価格に触れ、自動的な売りを誘発したとの観
測もきかれた。
東証1部騰落数は値上がり239銘柄に対して値下がり1373銘柄、変わらずが63
銘柄。東証1部売買代金は1兆5964億円だった。
きょうの東京市場は先物での売り圧力が継続した一方、信用取引の追い証(追加委託保
証金)差し入れ義務発生に伴う個人投資家の投げ売りなども出て、下落相場の最終局面の
様相を呈したという。ある準大手証券トレーダーは「今晩の欧米株式市場や円高への警戒
感が強く、押し目買いが入らない」との見方を示した。
聯合ニュースは、北朝鮮の金正日総書記は軍に対して戦闘準備をとるよう命じたと伝え
た。北朝鮮の動向を追う団体が入手した関係筋情報によると、金正日総書記の命令は軍の
トップに伝えられたという。この報道を受けて、ソウル株式市場<.KS11>は3%以上急
落。市場では「午後にかけて、日本株は韓国株の下げにつられて下げ幅を拡大した部分も
大きい」(国内証券)との声が出ている。
立花証券・執行役員の平野憲一氏は、9500円を割れてテクニカル面では値ごろ感が
出ていると指摘する一方、ヨーロッパの信用問題が落ち着くことが最重要と述べた。「何
をもって落ち着いたとみなすかが問題だが、やはり米国株式市場が落ち着いたと判断して
反発しなければ、東京市場には安心感は広がらない」とみている。
野村証券プロダクト・マーケティング部・マーケット情報課長の佐藤雅彦氏は、相場は
崩れたとみており、日経平均は9000円付近に下げると予想。「テクニカル面ではいつ
戻ってもおかしくないが、戻っても1万円ぐらいではないか。国内企業は保守的に今年度
の業績を見込んでいる。だが、その達成も確信が持てなくなっている。サブプライム問題
の時とは異なるが、回復期待で上昇してきた分ははく落した」と述べた。
一方、「25日移動平均と75日線がデッドクロスしたことから、短期的には買い場と
なりつつある」(立花証券の平野憲一氏)との見方も出ている。
きょうの東京市場で業種別では、繊維、海運、鉄鋼などの下げが目立った。電気・ガス
空運は高い。
個別銘柄では、沖縄電力<9511.T>など電力セクターが堅調だった。ほぼ全面安のなか、
一段安が予想される銘柄を手放し、比較的下落が小さい銘柄に入れ替える機関投資家の逃
避的な動きが観測された。沖縄電力や四国電力<9507.T>が選好されるのは「東京電力
<9501.T>などに比べまだ買い余地があるため」(大手証券のトレーダー)とみられてい
る。
大日本住友製薬<4506.T>が逆行高。クレディ・スイス(CS)が、同社の投資評価を「
ニュートラル」から「アウトパフォーム」に引き上げたことなどが材料となった。クレデ
ィ・スイスでは、同社の株価が株価純資産倍率(PBR)0.8倍を下回る水準まで下落
しており、売られ過ぎと判断している。
(ロイター日本語ニュース 石渡 亜紀子記者)