日経平均は続落し、下げ幅は200円を超えた。
前日の米株式市場では、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が2日目となる下院特別委員会での証言においてパンデミック危機からの回復が依然不透明だと懸念を再表明したことで投資家心理が悪化、調整局面を抜けかけていたように見えていたハイテク株を含め広く売られ、ナスダック総合指数は3%安、NYダウやS&P500種株価指数も2%前後の下落となった。
この流れを受けて、日経平均は寄り付き直後に一時200円超下落する場面があったが、即座に下げ渋り、前場は23200円台まで戻して取引を終えていた。
機関投資家による中間期末の配当取りを狙った買いなど需給面での要素も下支え役として寄与したようだ。
ただ、後場に入ってから、アジア市場が軟調に推移するなか、NYダウ先物がやや下げ幅を拡大すると、これに併せて日経平均も再度下げ幅を拡げる展開となり、結局、本日の安値圏で取引を終えた。
大引けの日経平均は前日比258.67円安の23087.82円となった。
東証1部の売買高は12億4782万株、売買代金は2兆2909億円だった。
セクター別では、鉄鋼を筆頭に非鉄金属、鉱業、輸送用機器、ゴム製品などが下落率上位となり、ほぼ全面安だった。
東証33業種中では精密機器のみが上昇した。
東証1部の値下がり銘柄は全体の77%、対して値上がり銘柄は19%であった。
個別では、佐川急便を傘下に持つSGホールディングス (T:9143)との資本・業務提携を解消する方針を固めたと一部で報じられた日立物流 (T:9086)が一時14%を超える急落となった。
ただ、その後、日立物流が「解消ではなく持ち分比率の変更を含めた見直しについて、本日の取締役会の議題としている」と発表したことが報じられて下げ渋り、結局、大引けでは4%安となった。
また、欧州での新型コロナウイルスの感染再拡大を嫌気し、欧州地域での売上比率が高い板硝子 (T:5202)が大幅下落したほか、第1四半期の大幅赤字決算がマイナス視されたミツバ (T:7280)も大きく下げた。
一方、今期の大幅増益見通しが好感されたハピネット (T:7552)が2ケタを超える大幅高となったほか、9月既存店売上高が2カ月ぶりのプラス転換となった、しまむら (T:8227)、上半期業績予想の上方修正がポジティブ視された日本調剤 (T:3341)やアドソル日進 (T:3837)も大きく上昇した。
東証1部の売買代金上位では、ソフトバンクG (T:9984)、ソフトバンク (T:9434)、任天堂 (T:7974)、トヨタ (T:7203)、ホンダ (T:7267)、富士フイルム (T:4901)、日立製作所 (T:6501)などが下落した。
一方、2020年の半導体製造装置の世界販売額が上方修正されたことが好感された東京エレクトロン (T:8035)のほか、行政のデジタル化を推進する「デジタル庁」の創設を巡る思惑が続いたNEC (T:6701)は地合いが悪い中でも大幅高となった。
そのほか、武田薬品 (T:4502)、NTT (T:9432)、HOYA (T:7741)、サイボウズ (T:4776)なども上昇した。