30日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
- ■株式見通し:商い膨らみづらく短期的な売買に振らされやすい需給状況
- ■ファナック、2Q営業利益34.1%減 323億円、通期見通しを上方修正
- ■前場の注目材料:三井不動産、東大・藤田卓越教授、「三井リンクラボ柏の葉」に拠点
■商い膨らみづらく短期的な売買に振らされやすい需給状況30日の日本株市場はこう着感の強い相場展開が続きそうである。
29日の米国市場ではNYダウが139ドル高と反発。
7-9月期GDP速報値が4-6月期の過去最大の落ちこみから予想以上の回復を示し過去最大の伸びを記録したほか、週次新規失業保険申請件数も予想以上に減少し回復期待が広がったことに加え、新型コロナウイルスの治療薬やワクチン開発期待などが材料視されている。
シカゴ日経225先物清算値は大阪比20円安の23300円。
円相場は1ドル104円60銭台で推移している。
米国市場の反発の流れは材料視されるが、米国市場では前半はリスクオン状態であったが、半ばあたりからリスクオフの地合いとなり、やや売り圧力が強まったようにみられる。
この流れからシカゴ先物は23360円まで上昇する場面がみられたものの、引けにかけて弱含みとなり、日中比ではマイナスとなっている。
週末要因で積極的な売買は手控えられやすいなか、来週には米大統領選挙が控えていること、さらに来週は11月3日が祝日となるため、ポジション調整による売買が中心になりそうである。
昨日はギャップスタート後に底堅さが意識されていたが、ショート筋のカバーによる影響のほか、日銀のETF買い入れに伴う需給インパクトの影響が大きいだろう。
先物市場ではクレディスイスがショートカバーとみられる動きであったが、原油相場の弱さなどから短期的とはいえ売り仕掛けの動きが出やすいだろう。
模様眺めムードの中で売買は膨らみづらいため、先物主導による短期的な売買に振らされやすい需給状況であることは認識しておきたいところである。
また、グローベックスの米株先物は弱い値動きをみせていることもあり、売り方にとっては仕掛けやすいところ。
なお、昨日はソニー (T:6758)が決算評価の流れから終日堅調だったが、本日はファナック (T:6954)の上方修正が好材料視されやすく、日経平均の下支えとして意識されやすい。
また、東エレク (T:8035)、アドバンテスト (T:6857)などの決算評価の動きも注目されやすい。
指数インパクトの大きい値がさハイテク株が底堅い動きをみせてくるようであれば、売り仕掛け後のカバーも早いだろう。
■ファナック、2Q営業利益34.1%減 323億円、通期見通しを上方修正ファナック (T:6954)が発表した第2四半期決算は、売上高は前年同期比11.7%減の2304.11億円、営業利益は同34.1%減の323.21億円だった。
コンセンサス(250億円程度)を上回る。
あわせて通期業績予想の修正を発表。
売上高は従来の4233億円から前期比1.1%減の5025億円、営業利益は385億円から3.3%減の854億円に上方修正している。
中国でのIT機器の増産対応や自動車の生産再開に伴う需要で、減益幅が大きく縮小する。
■前場の注目材料・NYダウは上昇(26659.11、+139.16)・ナスダック総合指数は上昇(11185.59、+180.73)・1ドル104円60-70銭・SOX指数は上昇(2283.65、+60.67)・VIX指数は低下(37.59、-2.69)・日銀のETF購入・米経済対策への期待・コロナ向けワクチン開発の進展・三井不動産 (T:8801)東大・藤田卓越教授、「三井リンクラボ柏の葉」に拠点・TPR (T:6463)イスラエル社に出資、新型エンジン事業化で協力・日立 (T:6501)生体認証で本人確認・キャッシュレス決済実現するクラウド基盤提供・マクセルHD (T:6810)リチウム電池積層ラミネート事業を古河電池に売却・日産自 (T:7201)タイで2000人雇用、輸出用HV伸長、体制整備・スズキ (T:7269)印・4輪車子会社、累計生産100万台達成・日野自 (T:7205)電動化戦略の基本方針提示・日立金属 (T:5486)撤退・成長の中計“再策定”、医療・エコカーなどに照準・三井化学 (T:4183)ICTで新事業、複数部署間の連携グループ立ち上げ☆前場のイベントスケジュール・特になし
<ST>